スピーシーズは4月3日、卓上サイズの人型ロボット「ITR」を発表した。このロボットは無線LANでインターネットに接続できるようになっており、インターネット経由でスピーシーズのサーバから好みのロボット向け専用コンテンツ番組をダウンロードして楽しめるのが特徴だ。
ロボット「ITR」と春日氏
価格は、コンテンツ開発者向けのITR開発評価キットが1セット50万円(2006年5月末出荷予定)、有料番組コンテンツが付属した、コンシューマ向けのITRが19万円(2006年9月上旬予定)。
ロボットは、音声の再生とモーション(しぐさ)での感情表現、筐体についているLEDに○や×などの記号表示が行える。音声認識やカメラ機能などは付いていない。
シンプルな機能にした点について、スピーシーズ 代表取締役 春日知昭氏は、「ロボットは鉄腕アトムにならないといけないという部分があり、これはロボット業界のひとつの問題だと思っている。音声認識やカメラを付けることができないわけではないが、中途半端な技術でそれを使って楽しいかどうか。単なるプレイヤーのほうがおもしろいのではないか」と語った。春日氏はソニー出身で、AIBO技術管理室長などを務めた経緯がある。2001年に独立し、ロボットキットやロボット開発プラットフォームを手掛けてきたという。
発表会場のデモでは、クイズとダンスを披露。クイズでは、ロボットが読み上げるクイズに○×で答えるというもの。ロボットの右手と左手がそれぞれ○もしくは×を伝えるセンサーになっており、手を握って答える。クイズに間違うとロボットが「残念!」と話し、答えの歴史背景を解説してくれる、といった具合だ。
番組の選択やロボットをダンスさせるといった操作は、PCやフルブラウザ対応の携帯電話から行える。将来的には、各携帯電話のキャリアの仕様に合わせてフルブラウザ対応以外の携帯電話にも対応したいとしている。
コンテンツの開発は、RTML(Robot Transaction Markup Language)と呼ばれるテキストベースのスプリクト言語、ロボットの動作を作成するモーションエディタを使って行う。特別難しいものではないが、「ロボットの動きなどはセンスの部分が大きい」(春日氏)としており、ゲームクリエーターらにコンテンツの作成を期待したいと話した。
なお、ロボットのデザインキャラクターは変更することが可能だという。同社では、ITRのロボットプラットフォームを提供し、さまざまな企業と協力しながら2008年3月には300番組、2008年秋には累計3万台を達成したいとしている。
ITR向け想定番組 |
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