凸版印刷は3月31日、アモルファス酸化物半導体による柔軟な薄膜トランジスタ(TFT)を用い、「E Ink」電子ペーパーの駆動を成功させたと発表した。凸版印刷によると、アモルファス酸化物半導体TFTでE Ink電子ペーパーを駆動したのは、これが世界で初めてという。
アモルファス酸化物半導体TFTは、室温で作製可能であるため、プラスチックを基材として利用できる。プラスチックは安価なうえ、軽量かつ柔軟性に富み、薄くすることが可能だ。特性も、従来のアモルファスシリコンに比べ優れている。なお、このTFTに使用したアモルファス酸化物半導体は、東京工業大学の細野秀雄氏らが開発した。
凸版印刷は、この材料を用いて室温でプラスチック基材上にTFTを作製し、米E Inkの開発したE Ink前面板と組み合わせ、柔軟な電子ペーパーとした。「薄く、軽量で、壊れにくく、曲げることが可能という特性により、薄型で軽量、フレキシブルな次世代ディスプレイが実現できる」(凸版印刷)。試作品の主な仕様は以下のとおり。
凸版印刷では、2008年度に実用レベルの試作品開発を目指すとしている。
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