新興企業のE InkとLG.Philips LCDは共同で、電子ペーパー用としてはこれまでで最大となる10.1インチのディスプレイを開発した。両社によると、これは電子書籍/雑誌の実現に向けた最新の一歩だという。
このプロトタイプは画面の厚さが300ミクロン未満で、工作用紙と同じくらい薄くて柔軟性がある。両社によると、この画面上では文字や画像が普通の紙にインクで書いたのと同じように表示されるという。またこの画面は丸めることも可能だ。
E Inkが開発したこの画面は、黒と白のピグメントからなるマイクロカプセルを利用している。それぞれプラスとマイナスの磁気を帯びたこれらのピグメントは、透明な液体中に浮かんでおり、通電状態の変化に合わせて浮かび上がったり沈んだりする。そして、スチール箔と透明なプラスチック片の間に挟まれた数千個のマイクロカプセルが点となり、黒または白のページをつくり出す。液晶画面とは異なり、この画面はバックライトを必要としない。
この薄型ディスプレイは、ガラスのように割れることもないと両社は付け加えた。ソニーはすでに、E Inkの技術をベースにした画面を同社の電子書籍専用端末「Librie」に採用している。なお、E InkにはIntelとPhilipsも投資している(LG.Philipsは韓国LG Electronicsと蘭Philipsによるジョイントベンチャー)
このプロトタイプは解像度が600×800ピクセルで、コントラスト比は10:1となっている。このプロトタイプを試験生産したLG.Philipsは、世界最大のLCDメーカーの1つだ。
なお、このディスプレイは今年日本で開催予定のFPD Internationalトレードショーで公開される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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