NTTデータは3月28日、2005年10月と2006年2月に発生した偽造ローンカードによる不正キャッシング被害に関連して、同社のコンピューターセンターから仙台銀行のATMでカードを利用した際の取引記録の一部が不正に持ち出されていた可能性があることが判明したと発表した。
不正に持ち出された取引記録は、オリックス・クレジットのローンカードを仙台銀行のATMから利用したことのある408名義分のカード番号や暗証番号など。偽造カードによるキャッシングの被害者は17名、被害総額は約3100万円だった。
容疑者はNTTデータの元社員で、同社協力会社から派遣され、当時このセンターで運用責任者としてシステムの運用にあたっていた人物。同社は、容疑者が取引記録の出力プログラムを不正に改造したうえで暗証番号を含む取引記録を印刷し、情報を持ち出したものとみている。
同社はこれ以外にも持ち出された取引記録がないか、現在宮城県警と連携して調査中だとしている。
なお、オリックス・クレジットによると、不正引出しが判明した顧客にはすでに被害額全額の補償をしており、情報が不正に取得されたことが確認できた顧客へはすべて新しいカードへ切り換えを行い、安全性の確保がされているとしている。
また、現時点で仙台銀行の顧客の預金口座の暗証番号などが持ち出された形跡はないとしている。
NTTデータでは、2月27日より、運用管理体制の強化と相互牽制の実施、承認行為の厳格化、運用責任者に対するプロジェクト間の相互監査などを実施し、再発防止に努めるとしている。
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