「外部の新しい血が必要だ」--NEC、BIGLOBEを分社化

岩本有平(編集部)、永井美智子(編集部)2006年03月28日 18時09分
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 NECは3月28日、インターネットサービスを提供するBIGLOBE事業部門を分社化することを正式に発表した。新会社名は「NECビッグローブ」で、7月1日付けで設立、営業を開始する。

 資本金は7月1日時点で40億円。その後、7月末日に124億円の第三者割当増資を行う予定で、住友商事、大和証券グループ本社、三井住友銀行、電通、博報堂の5社が引き受ける。増資後の資本構成は、NECが78%、住友商事が7%、大和証券グループが5%、三井住友銀行が5%、電通が2.5%、博報堂が2.5%となる。新会社の代表取締役 執行役員社長には現NEC執行役員専務の片山徹氏が就任し、従業員は500名程度となる予定だ。

 NECビッグローブでは、ISP事業に加えて、企業向けに通信インフラを提供する「プラットフォームサービス事業」と、コンシューマー向けに映像コンテンツやECを提供する「ブロードバンドメディア事業」の2事業を新たな成長の柱とする。

 BIGLOBEを分社化した背景について、NEC代表取締役 執行役員副社長の川村敏郎氏は、「Consumer Generated Media(CGM)やWeb 2.0といった新たな言葉が生まれてくるなど、これまでの常識にない新しい価値やビジネスモデルが出てきている。ここに大きなチャンスが生まれる。組織の意思決定のスピードを上げ、戦略的なアライアンスを組む必要がある」と話す。「NECの文化だけでは今後は飛躍できない。外部の新しい血が必要だ」(片山氏)

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NECとNECビッグローブに出資する企業の代表者たち。左から2番目がNECビッグローブ代表取締役 執行役員社長に就任する片山徹氏

 NECビッグローブは増資を引き受ける5社と共同で、新たな事業の開発に乗り出す。具体的には、まず住友商事とはBIGLOBE上のEコマース事業で提携する。住友商事が持つ小売、物流部門やメディア部門と共同でEコマース事業を展開する計画だ。大和証券グループと三井住友銀行とは、金融コンテンツ事業で提携する。大和証券グループの証券情報や三井住友銀行の金融情報をBIGLOBEで配信する。また、新しいネット金融関連ビジネスのテストマーケティングも行うという。電通、博報堂とは共同で動画広告メニューの開発などをしていく。

 企業向けのプラットフォームサービス事業については、ウェブ上でサービスを提供したい企業に向けて、インターネットサービス基盤を提供する。すでに日本テレビ放送網のVODサービス「第2日本テレビ」などに動画配信基盤や会員管理基盤などを提供している。

 なお、増資により調達した資金はプラットフォームの強化や、ユーザーの属性や利用履歴に合わせてサービスなどを推薦するリコメンド機能の開発などに充てるとしている。

 BIGLOBEは1996年よりサービスを開始した老舗のISPだ。無料登録のコンテンツ会員も含めたBIGLOBE会員数は2005年9月末時点で1320万人。2004年度の同事業の売上高は600億円で、2000年度以来黒字化しているという。なお、ISP会員数については公表していない。

 NECビッグローブはこれらの新事業に注力することで、2008年度には売上高1000億円を目指す。なお、今後は新たな資本提携先も探していく計画で、NECの持ち分は50%強にまで下がることも考えられるという。株式上場の可能性については、「選択肢の1つ」(川村氏)とした。

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