KDDIは3月15日、代表取締役社長の小野寺正氏による定例社長会見を開催し、ジャパンケーブルネットの株式取得やフルブラウザ端末サービス、ワンセグ放送、他事業者に関してのコメントを述べた。
会見の中で、現在注目を集めている「ソフトバンクによるボーダフォン日本法人の買収交渉」についての質問があがった。それに対し、小野寺氏は「憶測でコメントできない」と回答し、「どういう形で買収されるのか、憶測では言えないので現段階では回答を差し控えたい」と続けた。また、ソフトバンクが携帯電話市場に参入した場合の影響についても、「ソフトバンクの買収の手法が明確でない現段階では、コメントできない」と述べた。
JCNの株式取得に最終合意
KDDI代表取締役社長の小野寺正氏 |
ジャパンケーブルネットホールディングス(JCNH)およびジャパンケーブルネット(JCN)の株式取得については、セコム、丸紅と最終合意し、株式譲渡契約書を交換したことを明らかにした。
KDDIのJCNへの直接および間接出資比率の合計では38.18%となる。今回の株式取得は、KDDIと東京電力との提携をきっかけとして、大株主であるセコムと丸紅からの打診を受けたものだという。
KDDIとケーブルテレビとの連携については、「いつの時代でもインフラをオペレーションすることが必要。インフラがないところでサービスを行っても限界がある」と述べた。KDDIの「光プラス」と東京電力の「TEPCOひかり」の融合、今後のメタルプラスの事業計画などについての質問に対しては、「両者にメリットがあるように検討中」と答え、具体的な事業計画は発表しなかった。
KDDIの「光プラス」と東京電力の「TEPCOひかり」の融合、今後のメタルプラスの事業計画などについての質問に対しては、両者にメリットがあるように検討中と答えた。「メタルプラスは、交換機(GC)の工事予定が遅れたことが原因で当初の計画は達成できなかった。これは予期せぬ誤算だったが、1月に発表した修正値(2006年3月末までに1400局)は達成できると考えている」(小野寺氏)
固定通信事業に関する今後の具体的な戦略については、現段階では発表できるまでには及んでいないとして、2005年度の通期決算発表時まで先送りとなった。
「EZwebとフルブラウザ端末は棲み分けが可能」
KDDIでは現在、PCサイトが携帯電話からでも見られるフルブラウザ搭載の端末を増やしている。今後、フルブラウザとEZwebがどう関係するのかについては「情報系サービスはインターネットサービスに移行、統合せざるを得ない。しかし、コンテンツサービスは、今後も有料サービスとしてEZwebで提供していく」と語る。
音楽ダウンロードサービスのLISMOやオークションなどは、EZwebで代金回収代行をしており、クレジットカードの利用に抵抗感を持つユーザーに評価されている。小野寺氏は、質を確保できるEZwebで提供されるべきコンテンツは今後もなくならないとし、ユーザーの要望で使い分けをすることになるだろうと述べた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス