サンフランシスコ発--若者の投票を推進している非営利団体が、音楽と携帯電話という10代の若者が夢中になっている2つのものを組み合わせた投票推進運動を計画している。2008年の選挙で若者の投票を増やすのが狙いだ。
若者の有権者登録を推進している非営利団体であるMusic for America(MfA)の27歳のディレクターMolly Moon氏によると、同団体は2006年6月から、全米各地で開催されるコンサートでテキストメッセージ運動を開始するという。
TXTVoterと呼ばれるこのテキストメッセージ運動には、Green Day、Moon Zappa、Death Cab for Cutieなど、MfAの会員である350組のミュージシャンが参加する。この運動に参加するミュージシャンは、コンサートの中で、携帯電話を所有するファンに有権者登録を行うよう呼びかける。ファンは、ミュージシャンが指定した言葉を自分の携帯電話に入力し、短い数字のコードを使って送信する。すると各ファンの元に、名前と住所を送信し有権者登録用フォームを受け取るよう要請する内容の返信メールが届く。また投票日当日には、投票を促すショートメッセージサービス(SMS)が送られてくる。
MfAは米国時間3月9日夜、革新的政治の分野で際立った実績を残したアーティストや資金提供者らを表彰するイベント、第1回Icon Awardsを開催した。Moon氏は、そのイベントの中で次のように語った。「全ての若者がコンピュータを利用できるわけではないが、携帯電話なら誰でも利用可能だ。携帯電話により、デジタルデバイド(情報格差)が大幅に解消されている」
MfAが計画しているようなテキストメッセージを使った政治運動は、世界各地で行われている。例えば南アフリカでは、SMSを使って18万人以上の有権者に登録や投票に関する情報を送信している。
3年前に創設されたMfAとその会員らは、今まではコンサートやブログなどを通じて18〜24歳の若者に情報を発信してきた。2003年の創設時から現在までに登録された会員数は5万人にも上る。MfAは、テキストメッセージを使って2006年中に新たに5万人を有権者登録させたい考えだ。
MfAは、ハイテク業界のベンチャーキャピタリスト、Andy Rappaport氏などから資金援助を受けている。また同団体は、SMS運動を開始するためにMobile Voterと提携した。Mobile Voterは過去2年間、SMSを使った有権者登録ツールを開発および試験してきた。2006年6月に、コンサートに来場したファンにSMSを使って有権者登録を行うよう促す最初のアーティストが誰になるのかについては、Moon氏は明らかにしなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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