Steve Jobsは自称オーディオマニアだ。
そのJobsが米国時間2月28日、自分がプライベートでスピーカーに大金をつぎ込んだことを少数の報道陣に語った。しかし、同氏は、今後はこれまでに購入した高級スピーカーを使うのを止め、Appleが「iPod」用に開発した新しいスピーカーセット「iPod Hi-Fi」に切り換えると言う。
この言葉が真実か、それとも製品を売り込むためのJobs特有の誇張表現かはさておき、この新型スピーカーが、同社のコンピュータ界から家電事業への進出をさらに後押しする役割を果たすのは間違いない。
JobsとAppleは、iPod Hi-Fiをホームステレオシステムの代替品として売り込もうとしている。実際、従来の本格的なホームエンタテイメントシステムには必ずしも匹敵しないが、ワンボックス型小型スピーカーとしては音質が非常に良い。
既に4200万台のiPodが販売されていることから、この349ドルのスピーカーシステムを一部の音楽愛好家が受け入れる可能性があると、アナリストは言う。収集したデジタル音楽を自宅、またはステレオのない部屋で簡単に聞ける手段を求めている音楽愛好家たちだ。しかし、最近はテレビに接続されることが多くなったホームエンタテイメントシステムに、iPod Hi-Fiが取って代わるのは難しいと思われる。
「価格とフォームファクターが、収入の少ない若者やホームステレオを初めて購入する層を引きつけるかもしれない」とIDCのアナリストSusan Kevorkianは言う。「ホームエンタテイメントシステムの所有者が興味を持つ可能性は低い」(Kevorkian)
いずれにせよ、iPod Hi-Fiシステムから、Appleの家電事業への進出は、まだ試験的な段階にあるということが判断できる。同社は、広い製品ラインを提供するのではなく、一度に1〜2種類の家電製品しか提供しない。
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