中国政府のインターネット検閲に協力しているとして批判を浴びている米国のハイテク企業各社は、今週開催される下院小委員会での政治家からの質問に備えている。だが、ここで用意されている質問は、これらの企業にとっては厳しい展開となりそうだ。
米国時間2月15日朝に米下院人権問題小委員会が開かれ、Google、Yahoo、Microsoft、Cisco Systemsの幹部らが、それら4社が中国政府の要請に協力しているとされていることについて、証言を行う予定だ。
2月初めにも非公式の議員連盟主催の会議が開かれたが、上記の4社はスケジュールの都合を理由に欠席した。4社に会議への出席を要請していた連盟のメンバーらは4社の姿勢を批判したが、同連盟には出席を強制する力はなかった。
Yahooは13日、同社の言う世界の冒険的事業がもたらす「困難」に対する同社の一般的姿勢を記した新たな文書を発表した。しかし、わずか2ページ足らずのその声明文は具体性に欠けている。同文書には、一方で世界的な情報アクセスが増加し、一方で各国の法律を遵守しなければならないという義務感を感じるという葛藤に苦しむ同社の優先事項の枠組みが示されている。
同社は先週末、メディア監視団体の国境なき記者団(Reporters Without Borders:RWB)から改めて非難された。RWBによると、同団体はある中国人弁護士からYahooが個人の電子記録を中国政府に渡したのが原因で2003年にサイバー反体制派の中国人が有罪判決を受け、懲役8年の刑に付されたとの報告を受けたという。
当時Yahooは、指摘された状況について把握していないためコメントできないと述べた上で、同社が中国政府に提出しているのは法で提出が義務付けられている情報のみであると強調した。
13日に発表した文書にもその公約が記されており、Yahooは「(情報提供を要求された場合には)適用可能な法律の下で厳格な手続き的保護を採用し続ける」としている。またYahooは同文書の中で、Yahoo、Google、MicrosoftのMSNが、中国版検索エンジンを中国政府の要望に沿った形で調整したとの証拠に言及し、「仮にわれわれが検索結果の制限を要求された場合には、ユーザーに対し最大限の透明性を実現するよう努力する」と述べている。
Yahooによると、同社は、利害関係のある業界、政府、学者、非政府組織の代表者らとの討論の場を設け、可能性のある政策手段を模索する予定だという。しかし同社は、(中国のような)国家に好意的な政策の最終的な仲介者となる義務を負っているのは米国政府だ、と強調した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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