マイクロソフト、中国人記者のブログをMSN Spacesから削除

文:Andrew Donoghue(ZDNet UK)
翻訳校正:尾本香里(編集部)
2006年01月05日 15時43分

 Microsoftは、歯に衣着せぬ発言の目立つ中国人ジャーナリストのブログを、同社の「MSN Spaces」サイトから削除したことを認めた。各国の国内法を遵守するのが社の方針だと、Microsoftは述べている。

 調査報道記者であり、以前はCNNのレポーターも務めていたRebecca Mackinnonによると、Michael Antiの名でも知られるZhao Jingのブログが、2005年12月31日にMSNサーバから削除されたという。Mackinnonは、MSNのスタッフが中国当局に強制されたわけではなく、自ら進んで同ブログを削除したと主張している。

 Microsoftの関係者は米国時間4日、ZDNet UKに対して、MSN SpacesにあったAntiのブログを閉鎖し、中国国内法における同サービスの合法性を維持したと話した。

 「MSNでは、製品およびサービスが、国内外を問わず法律や規範、業界慣行に沿うよう配慮している。大半の国が、オンラインサービスを提供する企業に法律や規制を適用し、国内ユーザーが安全にインターネットを利用できるよう図っている。そうした中には中国のように、独特な事柄に関する法規制を運用している国もある」と、同関係者は述べた。

 だが、米国内でホスティングされていると考えられるサイトを、中国の法律に遵守させる必要があるのかという点については疑問が残っている。この件についてさらにMicrosoftに尋ねたところ、同社は次のように回答した。「Microsoftは多国籍企業である。それゆえ世界の国々の実情を考慮していく必要がある」

 Mackinnonのレポートについて、Microsoftの社内ブロガーRobert Scobleは、今回の報道に「失望させられた」と述べ、自身のサイトでAntiがブログを執筆できるよう取りはからった。

 「MSNで働く仲間には悪いが、彼らが国家の回し者と化している現状には賛成しかねる。アルゴリズムを用いてブログから一定の用語を抽出することと、政府の手先となりブロガーが執筆した全記事を検閲することは、まったく別物だ」(Scoble)

 Scobleは、Microsoftが2005年6月に、中国のMSNポータルで「自由」や「民主主義」といった言葉を検閲していたことを認めた件についても言及している。一方Microsoftは、ZDNet UKの姉妹サイトであるSilicon.comに対し、「検閲用語リストは公開しないが、われわれは必要に応じてこうしたフィルターを変更/更新し、中国の法律/規制/規範に従っていく意向だ」と説明した。

 2005年9月には、Yahooが中国当局に情報を提供し、これがある中国人ジャーナリストの投獄につながったことが明るみに出て、Yahooに批判が集中した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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