Oracleは米国時間2月10日、バックエンドでのAJAXスタイルのウェブ開発を容易にする機能強化を施したJavaアプリケーションサーバおよび開発ツールの新版を提供すると発表した。
「Oracle Application Server 10g Release 3」は、同社の「Fusion Middleware」製品ラインの核となる、Javaアプリケーションを稼働させるためのサーバソフトウェアだ。Oracleは今後、複数のパッケージアプリケーションをFusion Middlewareに統合していこうとしている。
Oracleのチーフアーキテクト兼バイスプレジデントTed Farrellによると、同新バージョンでは、サービス指向アーキテクチャ(Service Oriented Architecture:SOA)を用いたモジュラーアプリケーションの開発が容易になっているという。また同製品は、OracleがCollaxaの買収とともに取得したビジネスプロセスサーバとうまく連携させることができ、複雑なアプリケーション処理を自動化する、ルールエンジンと呼ばれるソフトウェアを提供する。
フロントエンド開発に関しては、OracleはAJAX方式のウェブアプリケーションを記述するプロセスを支援するコンポーネントを開発して、同社のJava開発ツール「JDeveloper 10g Release 3」に搭載した。AJAXは「Asynchronous JavaScript + XML」の略語で、これを利用すると、開発者はウェブサーバから自動的にデータを取得するインタラクティブなウェブページを作成することが可能になる。
Farrellは、Oracleがすでに同社のアプリケーションの「Collaboration Suite」でAJAXを利用しており、多くの企業ユーザーが、みずからのビジネスアプリケーションを強化する方法としてAJAXの採用を検討するようになっていると述べた。
Oracleは、自社のJava開発ツールを、アプリケーションサーバと緊密に連携できるようデザインしている。Oracleもほかのインフラストラクチャソフトウェアプロバイダと同様に、サーバソフトウェアのライセンス販売促進を目指し、開発ツールを無料で提供している。
「われわれのツール部門は、最終的な目的であるランタイムの販売に取り組んでいる。現在では、IntelliJやEclipseなどの、世界中で利用されているIDE(統合開発環境:Integrated Development Environment)と競合するものを提供できるようになった」(Farrell)
Farrellは、Oracleが「JDeveloper」および一部のEclipse関連製品に力を入れる開発戦略を打ち立てていることを、あらためて強調した。一方、現時点では「NetBeans」開発環境をサポートする予定はないという。
このほか新Application Serverには、「Enterprise Java Beans 3.0」などの標準に対するサポートや、「Struts」といったオープンソース開発ツールを用いた認証機能などが搭載されている。
Oracle Application Server 10gの価格は、1プロセッサ当たり5000ドルから。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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