いま話題の「digg」--生みの親ケビン・ローズに聞く[後編]

インタビュー:Richard MacManus
編集校正:坂和敏(編集部)
2006年02月10日 13時41分
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 前編に引き続き、diggの生みの親であるKevin Roseへのインタビューをお届けする。前編ではdiggの人気、評判システム、集団思考に関する最近の懸念を中心に話を聞いた。後編ではdiggのスパム対策、まもなく登場するパーソナライズ機能、そしてAPIについて、同氏の考えを聞いた。

スパム対策

--次はスパムについてお伺いします。diggは最近、スパム対策に積極的に取り組んでいます。スパムを防止し、システムを強化するために、技術面でどのような措置を講じていますか。

 diggではスパム対策の大部分をコミュニティに任せています。diggには毎日、約1200本もの記事が投稿されます。最近のdiggのように、大量のトラフィックが発生するサイトでは、システムを悪用しようとする人間が必ず出てきます。当然、この手の人物は偽のアカウントを作り、私欲を満たすために、個人のブログ記事を投稿しようとします。しかし、diggコミュニティはこれらの企みの大半を即座に見破ることができます。ユーザーはこれらの記事に印を付け、記事をトップページへの掲載を待つ記事のリストから外し、フラグを立てて、他のユーザーの注意を喚起します。

 スパムを見破るひとつの方法は「Digg Spy」を用いることです。この機能を使うと、ユーザーがどの投稿に投票したり、コメントしたり、あるいはマイナスの評価を与えているかといったことがリアルタイムでわかります。つまり、多くのユーザーの判断をもとに、要注意人物を見つけ出すことができるのです。たとえば、マイナスの評価を得ている記事と、その理由(スパム、重複投稿など)に注目すれば、コミュニティの力を利用して、この種の投稿を排除できるようになります。

--diggのアルゴリズムでは、スパムは自動的に検知されるのですか。それとも、常に人間が関与しなければならないのですか。

 表からは見えませんが、モデレータに問題を通知するシステムを運用しています。モデレータはサイトを監視し、不審な動きがないかをチェックします。詳細には触れませんが、diggでは複数の方法を使って、サイトの動きを監視しています。投稿数の平均、記事に含まれるリンクの種類なども目安になります。基本的に、サイトの隅々から幅広い情報を集めることで、サイトで何が起きているのかを把握するようにしています。特定の種類の不正行為が検知された場合は、フラグが立ち、モデレータに通知されます。

 とはいえ、ほとんどの作業--全体の95%ほどはユーザーによるものです。われわれのために、ユーザーが働いてくれているといっても過言ではありません。管理の点からいえば、これほどありがたいことはない。この方法なら、大勢のスタッフを雇って、サイトを監視する必要がありませんからね。事実、サイト全体を監視しているスタッフは1人だけですが、ほとんどの作業をコミュニティが担当してくれるので、負担はそれほど大きくありません。

パーソナライズ

--パーソナライズの計画についてお伺いします。昨年末に「BusinessWeek」で興味深い記事を読みました。その記事によれば、あなたはdiggシステムをパーソナライズ化し、ユーザーがテクノロジーだけでなく、あらゆる種類のテーマについて、独自のコミュニティを構築できるようにしたいと考えているとか。この計画はどうなっていますか。パーソナライズ機能はいつ頃お目見えするのでしょうか。

 ちょうど今、その作業に取り組んでいるところです。特に重視しているのは、テクノロジー以外のニュースを扱えるようにすることです。ニュースであれ、ウェブコンテンツであれ、ユーザーが興味を持った情報はすべて、diggで紹介できるようにしたいと思います。今はそのための作業を進めているところで、数カ月以内にサービスをスタートしたいと思っています。

--あなたにSkypeする直前に、「Web 2.0ワークグループ」にメールを投げ、あなたに聞いてみたい質問を募集しました(筆者は同WGの創設メンバー)。「ajaxian.com」のDion Almearからは、「今のdiggは自分にはピンとこない。自分はXboxで遊び、PHPでハッキングする17歳ではないから」という返信が帰ってきました。もちろん、これはdiggユーザーをかなり一般化した表現ですが、将来的に、diggに多様なソーシャルネットワークが登場する可能性はあるのでしょうか。これは先ほど出たパーソナライズの質問とは少し違います。diggに本格的なソーシャルネットワークのコミュニティを設置する可能性はあるのか、現在の考えを教えてください。

 現在、ユーザー同士を結ぶためにdiggが用意している機能の中心となるのは「友だちシステム」です。この機能を使えば、友人の投票、コメント、投稿を追跡できるようになります。しかし、われわれはユーザーが気の合う仲間とグループを作り、digg上で意見を交換できるように、システムを積極的に拡張していきたいと思っています。diggをユーザーが集い、さまざまな情報を気軽に共有することのできる場にするつもりです。その情報はニュースかもしれないし、もっと別のものかもしれません。

API

--「programmableweb.com」のJohn Musserからは、APIに関する質問がありました。「BusinessWeek」の記事では、APIの公開にも言及されていたと思いますが、現在の状況はいかがですか。

 テクノロジー以外のニュースを扱う準備が出来たら、すぐにAPIの仕様を固め、公開するつもりです。基本的には誰もがdiggのデータを利用して、新しいアプリケーションを作成できるようになります。うまくいけば、diggに新しいカテゴリを追加した直後に、APIを公開することができると思います。

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