電子メールの配信を保証する代わりに企業から固定料金を徴収しようという動きに対し、自由を奪うものだとしてスパム対策機関が反対している。
スパム対策組織Spamhausの情報統括責任者(CIO)Richard Coxは米国時間2月6日、「電子メールへの課金はインターネットの精神を台無しにする」と語った。
「インターネットが今の姿になれたのは、コミュニケーションの自由があったためだ。オープンに議論できることにその価値がある。特定のサービスに対して課金するようなことがあってはならず、電子メールは誰もが自由に利用できるべきだ。課金は公民権を剥奪するようなものだ」(Cox)
報道によると、インターネット大手のAmerica Online(AOL)やYahooでは、配信を保証する代わりに電子メール1通あたり最大1セントを企業に課金する計画を進めているという。
The New York Times紙の記事によると、有料電子メールはAOLのスパムフィルタを通らないという。そのため、迷惑メールフォルダへの自動振り分けや、ウェブリンクや画像の削除を回避しながら、マーケティング関連の電子メールを見込み客の受信箱に直接送信できるようになる。
ただし、有料電子メールサービスを利用する企業は、電子メールの送信についてスパム対策法にしたがっていることを証明する必要がある。そのため、同サービスを利用したからといって、AOLやYahooのユーザーにスパムメールの送信が許可されたことにはならない。
Coxは、電子メールサービスに課金してもスパムの量が減る可能性は低いと考えている。
「スパムの減少に直接つながることはない。AOLは、スパム問題を既に優れた方法で管理しており、Yahooにも改善が見られる。有料電子メールサービスにより、メールの振り分けは今後容易になるかもしれないし、スパム防止にもっと資源を割り当てられるようになるかもしれない。しかし、これにより、電子メールがユーザーに届かなくなったり、ユーザーがプロバイダを変更したりする可能性も出てくる」(Cox)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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