過去3カ月間に世界で出回ったスパムメールのうち4分の1近くは、米国から発信されたものだったことが、英国のウイルス対策企業Sophosから発表された調査資料により、明らかになった。
次に多かったのは、中国を発信元とするものだった。中国から発信されたスパムメールの割合は22.3%で、米国との差はわずかだった。また、3番目に入ったのは9.7%の韓国だったという。Sophosによると、英語以外の言語を使用したスパムメールの数が増加傾向にあるという。同社は、おとりの電子メールアカウントを用意し、そのアドレスに寄せられたスパムメールの数をもとに、今回の数字を算出した。
相変わらず米国がトップに立っているが、同国を送信元とする迷惑メールの割合が4分の1を下回ったのは、今回が初めてだとSophosは言う。米国での減少は、継続的にみられる傾向だ。2004年4月から9月にかけて出回ったすべてのスパムメールを計測した際は、米国から送信されたものが全体の41.5%を占めたが、翌年には、この数字が26.3%まで下がったと、Sophosは説明する。
同社によると、米国から送られるスパムメールが減っているのは、迷惑メールを撲滅するための取り組みが奏功しているからだという。特に、法規制が厳しくなったことや、インターネットサービスプロバイダ同士の連携が強まったことだけでなく、スパム業者らが懲役刑以外にも罰金を科されるようになったことが、成果につながっていると、Sophosは指摘する。
ただし、2006年の今頃はスパムメールの問題も解決しているだろうという、2年前のMicrosoft会長Bill Gatesによる予言は外れてしまったようだ。
MessageLabsによると、2005年前半には、スパムの流行が下火になってきた傾向がみられたという。MessageLabsは、2005年に検出されたすべての電子メールのうち、68.6%がスパムメールだったと述べている。もっとも、2005年末には、スパムメールの割合が再び増加に転じたという。スパムメールのほとんどは、電話通信やヘルスケアなど、特定の業界をターゲットに据えたもので、これらの業界では受信したメールの8割がスパムメールだったという。なお、MessageLabsはスパム対策サービスを提供している。
Sophosによると、ジャンクメールの60%は、ハッカーによって攻撃され、操作されるようになった「ゾンビPC」を利用して送出されたものだったいう。
Sophosが発表したスパムリレー国トップ12は以下の通り。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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