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ディズニー、ピクサーの買収を正式発表--買収額は74億ドルに

文:John Borland(CNET News.com)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年01月25日 07時21分
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 [25日10時25分更新] Disneyは米国時間24日、Pixar Animation Studiosを74億ドル相当の株式交換で買収すると発表した。これにより、Apple ComputerのCEO(最高経営責任者)Steve JobsはDisneyの取締役に就任する。

 Walt Disneyが普及させたペンとインクによるアニメーション製作手法を受け継ぐものとして、Pixarのデジタルなアプローチを採用することは、アニメーション映画の製作元として由緒ある歴史を持つDisneyにとって大きな賭けといえる。また今回の買収は、ITと映画業界との間で起こった激しい衝突の最新事例でもある。

 今夏に完了する見通しのこの買収の一環として、Pixarの幹部2人がDisneyのアニメーション部門を統括することになる。Pixarの社長を務めるEd Catmullは、PixarとDisney Animation Studiosの合併会社の社長に就任する。また、Pixarのエグゼクティブ・バイスプレジデントで、同社のクリエイティブ部門のリーダーと広く認知されているJohn Lasseterは、新会社でクリエイティブ部門の最高責任者に就任する。なお、Pixarは引き続きカリフォルニア州サンフランシスコのベイエリアに本社を置く。

 Jobsは「企業も株主も異なっていたDisneyとPixarのコラボレーションを妨げる障害はなくなった。これで、全員が重要なこと--つまり、世界の数百万人の人々を楽しませる革新的な物語やキャラクター、映画をつくり出すことに集中できる」とする声明を発表した。

 Disneyは74億ドル相当の株式を発行するが、Pixarが10億ドルを若干上回る現金を保有している点を考慮すると、実際の支払額は63億ドル弱になる。Pixarの株主は保有株式1株に対し、2.3株のDisney株を受け取る。これにより、JobsはDisneyにとって最大の個人株主となる。

 1995年の「Toy Story」を皮切りに、Pixarの全作品をDisneyが配給するなど、両社は長年協力関係にあったが、近年は不安定な状態が続いていた。

 しかし、この提携延長に関する交渉は暗礁に乗り上げしまい、PixarのCEOも兼任するJobsと当時DisneyのCEOだったMichael Eisnerとの間では、それぞれ相手側を非難する発言の応酬があった。そして2004年1月に、PixarはDisneyとの交渉を打ち切って、ほかの配給会社を探すと発表していた。

 だが最近では、両社の関係に改善の兆しが見えてきていた。昨年10月にAppleがビデオ対応iPodを発表した際には、Disneyの新CEO、Robert IgerがJobsと一緒にステージに立つなど、DisneyはAppleの「iTunes Music Store」に関する主力パートナーとなっている。

 Lasseterは、アニメーションスタジオでの仕事に加え、Walt Disney ImagineeringでもIger直属のクリエイティブ部門主任アドバイザーを兼務し、さらにDisneyのテーマパーク設計にも力を貸すことになる。

 この買収は、Pixar側の株主(ただし50.6%はJobsが保有)および規制当局の承認を経て成立の運びとなる。Jobsは、この買収への賛成票として最低でもPixar全体の40%にあたる部分を投じることに同意しているため、相当な反対が生じないかぎり、買収を十分成立させられる(また、そもそも相当な反対が生じるとの予想もない)。

 なお、Pixarの株価は時間外取引で1.43ドル(2.48%)高の59.00ドルに、またDisneyの株価は5セント(0.19%)安の25.94ドルになっている。

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