ディズニーによるピクサー買収交渉が本格化--WSJが報道

坂和敏(編集部)2006年01月19日 21時55分

 DisneyによるPixar Animation Studios買収の話が本格化していると、米Wall Street Journal 紙が米国時間19日に報じた(このニュースは日本時間19日午後9時現在、同紙ウェブサイトでもトップ記事扱いになっている)

 両社の話し合いはこれまで数カ月にわたって続けられてきていたが、同紙は情報筋の話として、Disney側がPixarの現在の時価総額67億ドルに若干プレミアムを上乗せした金額を支払うことになるとしている。

 さらにこの買収が成立した場合、PixarのCEOでもあるSteve Jobsが、Disneyにとって最大の個人株主になるという。

 DisneyとPixarは、「トイストーリー」や「Mr. インクレディブル」などこれまでに計6本の作品について提携してきていたが、ただし書籍「スティーブ・ジョブズ-偶像復活」に詳述されているように、Disneyの元CEO、Michael EisnerとSteve Jobsが犬猿の仲であったことから、一時は両社が(当初の5本を完了した段階で)提携契約を更新しないのではないかとの噂も飛び交っていた。ところが、株主に追われる形でEisnerが退いた後、Disneyのトップに就任したBob Igerは、以前からJobsと非常に緊密な関係を保っており、10月にApple ComputerがiTune Music Storeでビデオ配信を開始した際、真っ先にDisney/ABCの人気番組「Lost」や「Desperate Wives」が提供されることになった背景には、両者のこの関係があったとされている。

 また、Disneyには早急にアニメーション製作部門のてこ入れを図る必要がある。CEOのIgerは最近Fortune誌(1月23日号)に掲載されたインタビューのなかでも、アニメーションを同社全体の事業の要と述べていたが("Animation is and will remain the heart and soul of Disney")、しかし後にDreamWorks SKGの共同創設者となるJeffrey Katzenbergが去って以来、同社のアニメーション部門からは超ヒット作が生まれていない。このため、立て続けにヒット作を生み出してきたPixarに白羽の矢がたったと考えられる。

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