ケーブルテレビ大手のComcastは米国時間2月11日、Disneyに対して、総額660億ドルの買収提案を行ったことを発表した。これが成功すれば、世界有数のメディア/配給企業が誕生することになる。
Comcastによると、今回の驚くべき提案は、今週初めに行われた内々の交渉で、DisneyのCEO(最高経営責任者)であるMichael Eisnerが、Comcastから出された合併交渉開始の要請を拒否したことを受けてのものだという。その結果、Comcastは同社がDisneyの取締役会に対して行った提案を公にしたと述べている。
ComcastのCEO、Brian Robertsは11日午前に公開されたEisner宛ての書簡の中で、「このようなこと(提案拒否)になったため、この話を先に進めるには公の場で貴兄および御社の取締役会に直接提案するしか我々には方法がない」と述べている。
このような買収が実現すれば、規模と影響力でAmerica Online(AOL)Time Warnerに匹敵するメディア/配給帝国が誕生し、監督機関や公益団体全体の注意をひくことは確実だ。
Comcastでは、2001年に買収し、同社を米国最大のケーブルテレビ会社へと変貌させたAT&T Broadbandのケーブル事業の吸収もほとんど完了していない。同社は今回の提案の中で、DirecTVとNewsの合併をモデルとして挙げており、両社の合併を承認した連邦通信委員会(FCC)の規定に自社でも従うと述べている。
同社によると、AT&T Broadbandとの合併で得た経験が、Disneyほどの規模を持つ企業との間でうまく合併作業を進めるために役立つという。Comcastは、Disney宛の書簡の中で、同社社長のSteve Burke自身がDisneyの出身であり、ABC Broadcastingの社長をはじめとする要職をいくつも歴任してきたことに言及している。
今回の提案では、同社がDisney株1株につきComcast株0.78株を発行するが、これは2月10日の終値で計算すると約50億ドルのプレミアムになる。さらに同社は、現在Disneyが抱える約119億ドルという負債についてもこれを引き受け、合計すると買収総額は約660億ドルとなる。Comcastによると、Disneyの株主は同社の約42%を保有することになるという。
Comcastによると、合併後の会社の価値は10日の終値換算で1250億ドル、社員数は17万9000人に達するという。同社のケーブルサービス加入者は2150万世帯、ABCやESPNをはじめとする多くの有名なテレビ局やDisney関連資産のすべてを保有し、高速インターネット加入者数も米国最大となる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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