ホソカワミクロンは1月20日、600℃以下の低温でも実用可能な固体酸化物形燃料電池(SOFC)向け電極材料を発表した。ニッケルセリア(Ni-SDC)系の燃料極材料であり、従来の高性能標準セルを700℃で使用する場合と同等の発電性能を出す。
SOFCは、固体酸化物の安定化ジルコニア等を電解質材料とする燃料電池で、家庭用コージェネレーションシステムとして実証導入が開始されている固体高分子形燃料電池(PEFC)と比較して、材料が比較的安く、発電効率が高いことから、小中規模程度の発電システムとして期待されている。しかしSOFCの作動温度は通常800〜1000℃と比較的高いうえ、「1日程度という長い起動時間や高温により、構成部材の劣化が問題になる」と説明する。また、高価なセラミック材料を使用する必要もあるという。
そこで、同社はこれまで使われていたイットリア安定化ジルコニア(YSZ)系よりも活性と導電性の高いセリア系材料(SDC)電極材料を使用するとともに、独自技術を適用し、Ni-SDC系燃料極の高次構造制御に成功した。作動温度600℃でも700℃作動時のNi-YSZ系燃料極と同等の性能を示すので、同社では「立ち上げ時間短縮などシステムの起動/停止の改善、信頼性向上、使用材料の選択性拡大および低コスト化などにつながる」としている。
同社は、1月25日から27日に東京ビッグサイトで開催されるFC-EXPO2006において、この電極材料の発表を行う予定だ。
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