市場調査会社Gartnerは米国時間26日、2005年度の全世界におけるPC出荷台数が前年比10.2%増の2億200万台を上回るとの予想を発表した。
同社は2月に、今年のPC出荷台数を1億9900万台とする予想を明らかにしており、今回はこれを上方修正した形となったが、その理由として同社は、モバイルPCの売上増加を挙げている。なお、ライバルのIDCは2月の時点で、予想出荷台数を1億9500万台としていた。
予想を上方修正したGartnerに対し、IDCのほうは実は3月に予想値を引き下げていた。しかし、第1四半期の売上は、好調な欧州や中東、アジアの新興市場に支えられ、同社の予想を1%上回る結果となった。
Gartnerは、今年モバイルPCの売上が前年比26.5%増となる一方で、デスクトップの売上の伸びは4.6%程度にとどまるとしている。モバイルPCのシェアはPC市場全体の30%弱を占める。
「価格が下がり、無線環境が整うなかで、モバイルPCが引き続き新規ユーザーの関心を集めている。デスクトップを手放し、機動性で勝るモバイルPCに買い替えるユーザーがますます増えていることも、その売上を押し上げる要因の1つになっている」と、Gartnerでクライアントプラットホーム分野を担当するGeorge Shifflerは述べている。
Gartnerによると、今年はPCの販売を刺激するような新技術が見当たらないという。先ごろ発表されたデュアルコアプロセッサに関心を示しているのは技術系ユーザーや早期採用者に限られる。また、デュアルコアの能力を活用できる多くのアプリケーションがまだ開発段階にあり、これらが出揃うのは早くとも来年以降になる。さらに、過去2年間売上の2桁成長に貢献してきた買い替え需要も一巡すると同社のアナリストらは述べている。
企業による買い替えは年内にピークに達し、その後先細りする。また、個人ユーザーの買い替えに弾みがつくのは来年前半になりそうだ。「来年は、モバイルPCの成長率がさらに高まるものの、この2つの理由が相まって、市場全体の成長率は1桁台にとどまるだろう」とShifflerは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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