2005年第2四半期には、ノートPCや低価格コンピュータの販売が好調だったことから、PC出荷台数が予想を上回る伸びを記録した。また、これらのマシンの多くはPCを初めて購入する人の手に渡ったようだ。
IDCの発表によれば、全世界でのPC出荷台数は前年同期比16.6%増の4660万台だったという。同社は5月に、PC出荷台数が前年同期より12.3%増えるとの予測を示していた。
IDCのライバル、Gartnerが発表したPC出荷台数も、IDCの発表と同様の傾向を示している。ただし、IDCとGartnerが発表した数値自体は異なる。Gartnerの発表によると、PC出荷台数は前年同期比14.8%増の4800万台と、予想を上回る伸びを見せたという。GartnerとIDCでは、ノーブランドPCの取り扱い方が異なる。
すでにPCを所有している人が新しいマシンを購入するケースが多かったものの、PCメーカー各社は、大幅値引きを実施したことで、新規顧客の開拓にも成功しているようだ。IDCによると、アジアやラテンアメリカ地域における出荷台数は急速な勢いで増加している反面、米国や日本のような先進国での出荷台数成長率は予測を下回ったという。PCメーカー各社はここ数年間、発展途上国市場の開拓に力を入れてきている。
PC出荷台数の成長を牽引したのは、いつもと同じ顔ぶれの企業だった。IDCによると、世界でも米国でも首位の座を誇るDellは、出荷台数を23.7%伸ばしたという。これにより、Dellの全世界における市場シェアは19.3%、米国でのシェアは34.7%に拡大した。また、同社のアジアにおける出荷台数は50%増加した。
欧州やアジアの急成長市場で製品の販売に全力投球したAcerは、メーカー各社の中でも最も大きな成長を記録した。IDCによると、Acerの出荷台数は62%増加し、全世界における市場シェアは4.4%にまで拡大したという。
またIDCによると、GatewayとApple Computerもそれぞれ出荷台数を伸ばしたという。Gatewayの伸び率は26.6%で、Appleは37%だった。eMachines買収から1年近くが経過したGatewayが数字を伸ばしていることから、この買収の成果が結実しつつあることが伺える。GatewayとAppleは米国市場ではそれぞれ3位、4位につけたが、世界市場ランキングではトップ5入りを果たせなかった。
対照的に、世界第2位につけたHewlett-Packard(HP)は、先頃より低価格PCを複数モデル販売していたが、再びDellの後塵を拝すことになってしまった。
IDCによると、HPの全世界での出荷台数は16.3%増加したが、この数字は平均よりわずかに低かったという。しかし、GarterではHPが出荷台数を16.5%伸ばし、14.8%増という予測を上回ったとしている。HPは、米国では成長のペースで市場全体に遅れをとり、市場シェアもDellの約半分という結果に終わってしまった。IDCは、HPの米国市場でのシェアが18.7%にまで減少したとしている。一方、GartnerはHPのシェアを17.4%としている。
1年前のIBMとLenovoの実績を考えると、新生Lenovoの販売も振るわなかった。GartnerのSmuldersは「顧客は先行きに若干不安を抱いていたようだ」と述べ、そのことが、出荷台数のわずかな減少につながったと説明した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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