Dellが方針を転換し、Advanced Micro Devices(AMD)製プロセッサ搭載のコンピュータを発売する可能性が高いとの予測を、Piper JaffrayのアナリストLes Santiagoが米国時間1月10日に示した。これを受け、AMDの株価は同日の取引時間中に4%上昇した。
Santiagoはレポートのなかで「われわれは、DellがAMDベースのシステムを2006年後半にも出荷すると確信している」と述べた。同氏は、PC部品サプライヤーに勤める関係者の話や、アジアの設計会社がDellの依頼を受けてAMDベースのシステム開発に取り組んでいるとの報道、Dellがチップの購入を進めていることを示唆するAMDの在庫不足などの情報に基づいてこのような見方を示した。
Dellでは現在、Intel製のプロセッサを搭載したマシンのみを扱っている。同社の会長Michael Delは先週開催された「2006 International CES」イベントで報道陣に対し、製品ラインアップへのAMDプロセッサ搭載マシンの追加は「確かにあり得る」と語っている。また、Santiagoは先のレポートに「話をしていくなかで、Dellの営業部門が自社の競争力を高めるため、Opteronベースのサーバ製品を販売したがっていることを示唆する言及があった」と記している。
IntelとAMDは数年前から激しい競争を繰り広げている。このような状況の下、AMDはサーバ市場においてIntelからシェアを大きく奪うことに成功している。AMDのOpteronは、低消費電力、64ビットメモリ拡張の早期サポート、デュアルコア対応、内蔵メモリコントローラ搭載、高速システムバス対応などにより、Intel Xeonの地位を脅かそうとしている。
Santiagoは、AMD株の格付けを「市場平均(market perform)」から「優良(outperform)」へと引き上げた。Dellとの契約により、AMDの2006年後半における売上高は1億4400万ドル、1株当たり利益は12セントになるだろうと同氏は予測する。また、2007年通年では売上高が5億9700万ドル、1株当たり利益が49セントに達する見込みだという。
サーバ市場でDellと競合するHewlett-Packard(HP)、IBM、Sun Microsystemsの3社は、いずれもサーバ製品でAMDのOpteronを採用している。またHPは、デスクトップやノートPCにもAMD製のプロセッサを搭載している。
Dellは、過去にもAMD製プロセッサの採用を検討したことがある。だが2005年に入り、最高経営責任者(CEO)のKevin Rollinsが、Intel製プロセッサを引き続き採用するとの方針を表明した。
本件についてDellの広報担当にコメントを求めたが、同社では「憶測やうわさ」には応じられないとして、コメントを控えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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