この機能に関しては「文書」という言葉より、「ドキュメント」という言葉を使った方が分かりやすいかも知れない。簡単に言ってしまうと一太郎2006の文書は、複数の「シート」で構成することができ、「シート」には他アプリケーションのデータを持ってくることができるという機能である。
例えばある報告書を、文書によるレポートとワークシートによるデータファイル、そしてグラフィックで構成したいとする。従来であればその報告書は複数のファイルで構成されるが、一太郎2006なら一つのファイルで済んでしまうのだ。そう、一太郎2006にはマルチシート機能があるからだ。
一太郎2006の編集画面下部には「Sheet1」というタグがあり、簡単な操作ではそこでカーソルを右クリックする。するとシートに関するメニューが表示されるので、シートを追加する操作などを実行する。シートとしては一太郎2006文書のほか、Excelのワークシート、Word文書、PowerPoint文書、ビットマップイメージなどを設定できる。こうすることで異なるアプリケーションのデータを、一つの文書として扱うことができるのだ。
もちろん一太郎2006の文書をマルチシートにして扱うこともできる。論文や報告書などが長文になる場合は、章ごとにシート分けしてもいいし、マルチシート機能は文書管理にも活用できるのである。関連した文書を一つにまとめると、ここまで便利になるといういい例だ。
もちろん一太郎2006の新機能、改良された機能はここで紹介しきれるものではない。また、微妙に改良された部分であっても、それによって驚くほど使い勝手が向上した機能もある。
個人的にもっとも気に入っている一太郎2006の機能は、アウトラインである。これは従来バージョンでも搭載されていた機能だが、インターフェースの改善で、より使いやすいものになったと感じる。文書を段階的に作成できるアウトライン機能は、整理された状態で論理的な文書、とくに長文を作成するのに有効だ。使いやすい一太郎2006のアウトライン機能は、ビジネスなどでの企画書、論文などを作成するのにきっと役立ってくれる。
また、一太郎2006のアウトライン機能を活用して、プレゼンテーション資料を作成しても便利である。とくに一太郎2006ではアウトラインレベル1(大きな見出し文に相当する)で、改ページを自動的に行なう機能が搭載された。これを活用すればポイントごとにページを分けた資料を、簡単に作成することができる。
例えばアウトラインレベル1で改ページしているファイルは、そのままプレゼンテーション用のスライドとして活用できる。さらに嬉しいのはアウトラインレベル1を1ページとして、テキストデータをPowerPoint形式で出力することができることだ。プレゼンテーション資料を一太郎2006なら、アイデアプロセッサのように書いていくことができる訳だ。
ほかにも一太郎2006にはPowerPointテキストの読み込み機能が搭載されていたり、Wordとの文書互換性が向上しているといった特徴もある。文書の比較機能などは、頻繁に更新が行なわれるシーンでは重宝である。この比較機能、前バージョンでは相違点を行単位で表示したものが、一太郎2006では単語単位で表示される。これを活用すると、過去に作成した文書との比較、他者が修正した文書との比較が簡単かつ確実に行なえる。
何を今さらATOK。という言葉がピッタリなぐらい、ATOKはメジャーな存在だ。一太郎2006を紹介するコーナーで言うのもなんだが、一太郎は使っていなくても日本語入力はATOK以外考えられないという人も多いはずだ。
そんなATOKも一太郎2006と共にバージョンアップし、ATOK 2006となった。今回のバージョンアップでは、よりスピーディな日本語入力の実現、変換機能の強化がポイントになっている。まず変換語彙の拡張、これはATOKの場合毎年行なわれるものだが、ATOK 2006では平成の大合併によって変更、誕生した自治体名がフォローされている。さらに2006年冬季オリンピックが開催されるイタリア、サッカーワールドカップが開催されるドイツの観光地名などが語彙として拡張されている。
ほかにも最新の時事用語などがフォローされている。このように語彙が時代に合わせて拡張されることで、ユーザーは単語登録のわずらわしさから開放され、スムーズな変換により思考がさえぎられずに済む。文書作成効率をアップさせるのに、かなり貢献している訳だ。
それでも発生するのが必要な単語の登録だが、ATOK 2006では訂正学習機能が強化されている。ATOK 2006では入力し直しの手順を感知して、その結果の学習をうながしてくれる。
また、日付をスピーディかつスムーズに扱える日付入力支援、読みの先頭数文字が入力されると推測変換候補を複数提示し、さらに入力を続けると絞り込みを行う推測候補モードなど、ATOK 2006の見るべき機能は豊富に用意されている。もちろん変換全般に関して進化を遂げており、スムーズな日本語入力が約束されている。
なお、ATOKシリーズのユニークな機能、話し言葉モードでは「話し言葉関東」が追加された(これでひとまず、全国の主な話し言葉に対応したのだそうだ)。校正支援機能を活用すれば、間違えやすい表現を、しっかり解説してくれたりもする。一太郎2006で充実の文書作成環境、ATOK 2006で充実の日本語入力環境。文書作成のインフラとして、まさに万全といった印象である。
20年という月日が、一太郎というワープロソフトをどこまで進化させたのか? それを体感するには、ここで紹介している最新バージョンの一太郎2006を使ってもらうのが一番である。一太郎2006は文書の総合的なプラットフォーム、考える作業を支援し、表現力を高め、管理までも行なえる。一太郎2006なら文書作成という面倒な作業を、スムーズに構造改革することができるだろう。
ATOK 2006に指摘されました、ごめんなさい。「やむおえない」と入力して変換すると「やむをえない(やむを得ない)」と訂正し、指摘してくれる。
電子辞典との連動もATOK 2006のポイント。国語辞典のほか、英和/和英辞典と連動し、意味の表示などを行なってくれる。なお、一太郎2006に電子辞典は標準添付されないので、別途入手する必要がある。ATOK単体販売の「ATOK 2006 for Windows[電子辞典セット]」にはもちろん標準付属。
祝! ATOK話し言葉の全国制覇! 話し言葉を入力した際の変換効率がアップする。会話などを多く入れる文書作成時に役立ってくれる。シナリオ執筆などにはもってこいかも。
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