ビジネスシーン、パーソナルシーンに関らず、文書を快適に作成するには、優れたツールが必要だ。そこで登場するのが、使いやすいワープロそして思考の流れを妨げない日本語入力ソフトである。この理想的な組み合わせとして、MS-DOS時代から広く愛用されているのがジャストシステムの一太郎とATOKだ。まあ、このあたりは今さら説明するまでもないことだろう。
さて、そんな一太郎がバージョンアップし、一太郎2006になる。今回のバージョンアップではユーザーインターフェースが大幅に見直され、さらにビジネスに有効な機能、思考整理に役立つ機能などが強化された。もちろん一太郎2006と共にATOKもATOK 2006へとバージョンアップされ、文脈関連の処理が強化され、変換精度がさらに向上している。
文書作成ツールは、思考をまとめるという意味でも重要なツールである。果たして一太郎2006はどのようにバージョンアップ、進化したのだろうか?そのポイントを見て行こう。
一太郎2006を起動してまず感じたのは、画面が一太郎2005とは微妙に異なっていることだ。実はこの「微妙」という点が重要で、一太郎2006のインターフェースは前バージョンと比較して一新されているのだ。しかし、基本的な雰囲気、例えば配色などが前バージョンと共通しているため、違和感はない。その上で一新されたインフェースは「使いやすさ」を最優先させている。
たとえばフェーズを切り換えるタブの位置だが、一太郎2005では編集画面の左にあったが、一太郎2006では編集画面下部に移動している。この位置の方がタブとしては、操作しやすいと思う。また、画面右側に表示されるナレッジウィンドウも整理され、より使いやすいものになっている。
メニュー自体の表記も分かりやすいものに変更されており、直感的な操作が可能である。たとえば基本編集時のナレッジウィンドウに用意されたタブは「辞書」、「スタイル」、「作図」、「校正」という表記だ。これなら初めて一太郎2006を使う人でも、機能選びで迷うことがないだろう。
もちろん一太郎最大のインターフェースである「ESCメニュー」は健在だ。従来から一太郎シリーズを愛用している人にとっても、新たに一太郎2006を使う人にとっても優しく分かりやすいインターフェースである。
細かい点でも改善が見られ、たとえば従来はナレッジウィンドウの中にあった自然文ヘルプが、標準表示になった。また、ダイアログボックスのデザインがWindows XPの標準的なものに準拠したことも、初心者にとっては分かりやすいだろう。細かいインターフェースも、しっかり改良されている一太郎2006である。
ビジネス文書の正確さや内容の充実は、自らの能力を示すものである。逆に言えば提出するビジネス文書を見て、「この程度の文書しか作成できないのか」とか、「しっかりした文書を作成する人物だ」などと、能力を判断されている可能性があるのだ。
ビジネス文書をしっかり作成したいなら、一太郎2006をぜひともお薦めしたい。次に紹介する校正機能もそうだが、一太郎2006にはビジネス文書の完成度を高める機能が十分に用意されている。まず知っておいて欲しいのが、一太郎2006の「提出確認」という作業フェーズだ。
「作業フェーズ」という言葉からも分かる通り、一太郎2006には作業の段階に応じた画面が用意されている。タブをクリックすることでおのおのの画面を選択できるのだが、注目して欲しいのは「提出確認」だ。この画面では作成した文書を提出、あるいは公開する前に使用すると便利な機能がまとめられている。また、画面自体は印刷プレビューに近いもので、よりイメージを把握しやすいようになっている。
「提出確認」では文書の校正はもちろん、重要な文書にすかし文字を設定したり、印刷や編集、保存を制限する改ざん禁止を設定したりすることができる。ビジネス文書、研究論文、公文書といった重要な文書を管理、運用するには重要な機能ばかりだ。そればかりでなく、提出確認では新機能の「ページ一覧」による表示で、文書全体をページ単位で見ながら不自然な改ページなどをチェックできる。
こうした機能をフルに活用することで、「提出する文書」の完成度を格段に向上させることができる。もちろん次に紹介する校正機能の併用は、必須だと思うが。
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