世界の人々は、産業時代の産物であるキーボードのキー配列に、余りにも長い間縛られすぎていると、John Parkinsonは考えている。
62才になる電気技術者のParkinsonは、不合理に見える標準のQWERTYキーボードに憤慨する多くの起業家や科学者の1人。同氏は、QWERTYに対抗する新しいキーボードデザインをネバダ州ラスベガスで1月に開催されるConsumer Electronics Show(CES)で公開する。
同氏は、2004年のCESでもこの概念を大々的に発表したが、今回は2月に発売される実際のキーボードを用意する。数年前から自己流でタイピングを続けてきた同氏は、変化を起こす余地はあり、自分が新しい方向を示せば大企業も追従する可能性もある、と確信している。
「長年、皆と同じように、私もQWERTYだけはしょうがないと考えてきた。だがついにアイデアが浮かび、自分でこれを何とかすることにした」(Parkinson)
この問題に挑戦してきた多くの人々と同じように、Parkinsonの「New Standard Keyboard」もアルファベット順の配列になっている。だが、そこにはちょっとした工夫も施されている。同氏は、文字を真横に並べるのではなく、キーボードを大半のエルゴノミックキーボードのように二分割している。そして、アルファベットの最初の半分を左手に割り当て、残りの半分を右手に割り当てている。
キー配列が複雑な標準キーボードの束縛から多くの人を解放するためには、これで十分だろうか?おそらく不十分だろう。平均的なタイピストは長い時間をかけてQWERTYキーボードを学習している。より優れたシステムがでてきたとしても、それを学習し直す可能性は低い、というのが大半の専門家の意見だ。
QWERTY(左上にある6文字のキーから命名された)キーボード自身も、主に19世紀半ばの偶然の産物だとされている。
現代のタイプライターを発明したChristopher Sholesは当初、アルファベット順に並べたキーを実験したところ、紙を打つ際に文字を支えるバー同士が接触して動かなくなるケースが多発した。そこで、使用頻度の高い文字をマシンの正反対に置いて接触が減るよう、現在のように文字が並べ替えられた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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