Omnitureは、ウェブサイトのトラフィック追跡/分析サービスを提供する企業のなかでも最も有名な存在だが、来年に新規株式公開(IPO)を行う可能性がある企業のなかでは同社が本命だとする声が、IT業界を専門とする投資家の間で高まっている。
Omnitureに出資しているある大口投資家は、このIPOが実現すれば、同社の時価総額は5億ドルに達する可能性もあると考えている。Googleが昨年のIPOで調達した17億ドルに比べると、この5億ドルという数字は大した額には思えないかもしれない。だが、近年注目すべき株式公開が少ないIT業界のなかでは十分な規模といえる。
Farmhouse EquityアナリストのGregg Speicherは、「OmnitureのIPOは相当大きなものになるだろう」と述べている。
ただしそれは、Omnitureの取締役会が社員数300人のこの会社を公開企業にしたいと真剣に考えた場合の話だ。同社CEO(最高経営責任者)のJosh Jamesは、先週行われたCNET News.comとの電話インタビューのなかで、IPOに関する計画についての情報をほとんど明らかにしなかった。 「将来IPOを行う可能性はある。ただし、それがいつになるかについては何とも言えない」(James)
Hummer Winblad Venture Partnersのパートナーで、Omnitureの役員を務めるMark Gorenbergは、「2週間前に行われた前回の取締役会では、この件は議題に上らなかった」と述べている。しかし同氏は、近い将来IPOがあると噂される理由について思い当たる節があると付け加えた。同氏によると、最近になって業界のイベントでOmnitureの幹部らが投資家と一緒にいる場面が頻繁に目撃されているという。
この件については、Gorenbergも「確かに彼らは投資家に公然と接触している」と認めている。
また、同社の出資者らがIPOを期待していることも明らかだ。ベンチャーキャピタルのHummer Winbladは、先ごろOmnitureに5500万ドルを出資したが、同社の共同創業者であるJohn Hummerは3月に、ニュースサイトの「Private Equity Week」に対し、 OmnitureがIPOを行えば「簡単に5億ドル規模になるだろう」と述べていた。ただし、同氏は具体的な実施時期については言及しなかった。
ウォールストリートを意識した話はさておき、OmnitureのIPOが成功するとの考えが真実味を帯びる背景には多数の要因がある。
複数のアナリストによると、ウェブ分析業界はここ数年、年間約25%の成長を続けているという。この分野には大きな注目が集まっており、先月にはGoogleがOmnitureと競合する分析サービスを立ち上げている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス