Omniture幹部らが、具体的な売上高を明らかにすることはないだろうが、過去には同社の売上高がここ5年間続けて毎年倍増していると指摘したこともある。さらに同社は、誰もが羨むような顧客も抱えている。Fortune 500ランキングの上位5社のうち、Wal-Mart、Ford Motor、General Motorsを含む4社がOmnitureのサービスを利用している。そのほか、同社にはHewlett-Packard(HP)、AOL、CNNなどの知名度の高い顧客もいる(CNET News.comでもOmnitureのサービスを使っている)。
ウォールストリートがOmnitureのIPOに対してどのような反応を示すかについては、それを知るための指標が1つある。それは、同社と競合するWebSideStory(本社:カリフォルニア州サンディエゴ)の株価だ。 WebSideStory は2004年9月に株式を公開したが、同社の株価は米国時間19日時点で19ドル46セントと、新規公募価格の8ドル50セントから約130%増加している。
WebSideStoryの株価収益率は10倍となっているが、これは年間売上4000万ドル未満の会社としては過大評価だと、Speicherは指摘する。同氏によると、市場が「今後のさらなる成長」を期待していることは明らかだという。
また、WebSideStoryにあってOmnitureに欠けているのが利益だ。OmnitureのJamesによると、Omnitureは一時期黒字になったが、幹部らが「資源強化」に資金を投入したため利益が計上されなくなったという。投資家は利益を出していない会社を警戒する場合があるため、このことが短期的にIPOの見通しに悪影響を及ぼす可能性がある。
とは言うものの、Omniture、WebSideStory、Coremetrics、そしてWebTrendsなどのウェブ分析会社は、ドットコムバブルの崩壊後も発展し続けてきた。バブル期には、各社の提供するベーシックなトラフィックデータの価値が、ドットコムのビジネスモデルと同様に疑問視されていた。オンライン小売業者Overstock.comのHolly MacDonald-Korth(ウェブサイトマーケティング担当バイスプレジデント)によると、これらの企業が、洗練されていない、あるいは理解するのがあまりに難しい情報を提供してきたケースも多かったという。
それに対して、現在ではウェブ分析企業各社が、専門家でなくとも理解できるタイムリーな情報を提供しているという。たとえば、昨年からOmnitureのサービスを使い始めたJetBlue Airwaysでは、ウェブページ1ページ分のグラフや図を引き出すだけで、自社サイトの状況を把握できるようになったという。
同社のシニアインタラクティブアナリストMarc Koifによると、JetBlueは、自社サイトにおける顧客の行動の理解や顧客の要求に関して、Omnitureを採用するまで「何も分かっていなかった」という。
「Omnitureのサービスを導入して目からうろこが落ちた。自社サイトのトラフィックがかなり詳しく分かるようになった」(Koif)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向 けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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