VentureOneとErnst & Youngが集計したデータでは、米国における検索関連の投資案件の数は、2001年にはわずか8件しかなかったものの、2004年には27件、そして今年は31件に増加しているという。一方、今年の資金調達額は現在のところ1億7690万ドルで、昨年の1億6490万ドルを上回り、その前2年分を合わせた額の約3倍に達している。
これらの動きに加えて、GoogleとYahooの両社も活発に投資や買収を行っている。
「GoogleとYahooはそれぞれ膨大な額の現金を手にしており、しかも彼らは立ち上げから間もない企業を買収している。多くのベンチャーキャピタリストが『自分たちが手を付ける前に、Googleに買われてしまった』とこぼしていると聞いたことがある」(Haacke)
Googleが最近買収した企業には、ウェブ分析を専門とするUrchinや写真共有技術を開発するPicasa、さらにモバイル用ソフトウェアを手がけるAndroidとDodgeballなどがある。
「われわれの(M&Aに関する)戦略は、ユーザーに革新的な製品を提供したり、既存のサービスを強化することに役立つような、他にない製品や技術、エンジニアのチーム(を擁する企業)を捜すというもので、この点は昔から変わっていない」と、Google広報担当のLynn Foxは電子メールによる回答のなかで述べている。
一方、Yahooは今年に入って、人気の高い写真共有サイトを運営するFlickrや、「Konfabulator」を開発するPixoriaを買収している。現在「Yahoo Widgets」として提供されているKonfabulatorは、軽量でカスタマイズ可能なデスクトップ用アプリケーションを動かすためのソフトだ。
「ほとんどの新興企業が、旅行やスポーツ、医療関係といった分野向けの、特化した検索技術の開発に重点を置いている」と、New Enterprises Associatesというベンチャーキャピタル企業のパートナー、Stewart Alsopは述べている。
そこで問題になるのは「次には何が来るのか」ということだ。なかには、検索分野はすでに整理統合の段階に入ったと言う者もいる。また、AOLを傘下に収めるTime Warnerが、他社との提携もしくは他社への(AOLの)売却に興味を示しているとする噂もたくさん流れている。
しかし、検索分野の企業にとって、株式公開の道がまったく絶たれてしまったわけではない。
Mayfield Fundのマネージングディレクター、Allen Morganは、今年は中国の検索企業Baidu.com以外に特筆すべきIPOはなかったとしながら、それでも来年から2007年にかけてはいくつかの大型株式公開があると予想している(なお、同ファンドは今年に入って、一般検索エンジンを開発するSnapに投資を行っている)。だとすれば、最近立ち上がったばかりの企業にも、それまでに成熟する時間が与えられることになる。
投資家や企業家がいまでもGoogleの成功に羨望のまなざしを向けていることは間違いない。
「Googleには誰もが圧倒された」とベンチャーキャピタル専門の弁護士であるJoe Bartlettは言う。同氏はプライベートエクイティ関連のデータや分析情報を提供する「VC Experts」を始めた人物だ。「バブル期のピーク時でさえ、Googleのようなものを目にしたことはなかった。私もこれまでに、いくつかのとてもクールな企業に投資したり、急激に成長した企業から法律関連の相談を受けたりしてきているが、Googleのようなところは見たことがない。みんながGoogleのとりこになっている」(Bartlett)
「(Googleの創業者らが)スタンフォード大学を出てからわずか数年で、Microsoftと一騎打ちすることになるとは誰も思っていなかった」とBartlettは付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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