書籍にはじまり、CDやDVD、ゲーム、PCのソフトウェア、おもちゃ、キッチン用品、最近ではスポーツまでまさまざまな商品を取り扱い、わずか5年でオンラインに一大マーケットを築いたAmazon.co.jp。11月30日に開催された「mobidec 2005」のセッションで、携帯電話向け「Amazonモバイル」サービスの概要と今後の展開について、アマゾン ジャパンのAmazonモバイルプロダクトマネージャーである平山景子氏が語った。
急成長を遂げた要因として、「オンライン上で求められるあらゆるものを探し、発見でき、購入できる場を創ること」、「常に顧客の立場で考えること」の2点を挙げた。
顧客満足度を高める具体的なポイントは、まず、幅広い品揃えを、配送料も含めて低価格で提供することだ。これは顧客に、「Amazom.co.jpで商品が見つかる」という安心感を提供できるという。また、顧客の購入履歴を元に、「これを買った人はこんな商品も買っています」と関連商品を勧めて、さらなる購入につなげる戦略も成功しているようだ。利用者にとっては、1つの商品キーワードから欲しい商品にすぐたどり着く利便性に繋がるという。
PCサイトで培ったこうした戦略を「Amazonモバイル」でどう展開していくのだろうか。基本的にはモバイルユーザーの購入行動はPCサイトの市場と類似していると考え、「PCサイトで売れる商品はモバイルでも同じように売れる」というスタンスで展開していくと語る。
購入者がネットでじっくり商品を選べる環境を提供したブロードバンドがEコマースの原動力であると同様、モバイル市場においてもパケット通信の定額制が欠かせない要因となるだろう。また、1人に1台、常に身につける携帯電話の機動力は、より手軽な購入環境を提供するとして、モバイルに対する期待を寄せている。
Amazon.co.jpが成功した要因の1つに、単純な広告ではなく「Amazonアソシエイト・プログラム」(アフィリエイト)を使った口コミによる宣伝がある。ネットによる口コミとは、利用者が個人サイトなどで、Amazon.co.jpの購入サイトにリンクして商品を紹介をするシステムだ。特にブログでは、ユーザー視点での商品評価によって押し付けがましくない宣伝になるというわけだ。
また、QRコードを雑誌や書籍に掲載するなど、紙媒体からのサイト誘導も展開している。Amazonモバイルにおいても、PCサイトと同様に「Amazonアソシエイト・プログラム」を軸に口コミ戦略を積極化し、モバイルならではの付加価値を提供していくことで、ユーザーの立場になった利便性とサービスを追及していく、と平山氏は結んだ。
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