調査会社のIDC Japanは11月29日、2005年第3四半期(7〜9月)の国内携帯電話端末市場に関する調査結果を発表した。端末メーカーの出荷台数シェアでは第2四半期で3位だったシャープが首位となり、首位だったパナソニック モバイルコミュニケーションズは4位に転落した。
調査によると、2005年第3四半期における携帯電話端末の国内出荷台数は、前年同期比7.2%減の1027万台となり、第2四半期から2期連続してマイナスとなった。その要因としてIDCでは、需要を牽引するヒット端末が登場しなかったために需要全体が伸び悩んでいること、一部の通信事業者が端末調達戦略を見直し、数量を絞り込んだ影響で需要が縮小傾向に向かったことなどを挙げている。
端末ベンダーのシェア推移では、シャープが首位(18.2%)となった。これは、強いブランド力を持っていることと同時に、NTTドコモとボーダフォンに向けて、第3世代携帯電話(3G)端末を中心に安定的に新規端末を連続して投入しているところが大きいという。
一方、第2位から第4位までのシェアは混戦状態となっている。前回3位のNECが2位(15.9%)に、前回4位の東芝はau向けの端末に人気が集まり、第3位(14.8%)となった。第2四半期で首位となったパナソニック モバイルは、出荷数量が同四半期で大きく落ち込み、第4位(14.6%)に転落した。
方式別による出荷台数推移を見ると、3Gへのシフトが進んでいることがわかる。国内向け端末の全出荷台数に占める3Gの割合は79.7%にまで上昇している。IDCでは、「3G端末の占有率がこのまま上昇し、2005年第4四半期には90%前後にまで拡大する可能性が高い」としている。
IDCのアナリストである木村融人氏は2005年後半の見通しについて、新規3G端末の出荷が一部遅れていることから、「年間トータルの出荷数量は前年並み、最悪、昨年度実績を下回る可能性もある。上位ベンダーの顔ぶれは変わらないが若干の順位変動は十分にあり得る」とコメントしている。
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