第2四半期の携帯端末市場は、調査会社によって、そして、Research In Motion(RIM)のBlackBerry端末をどのように分類するかによって、評価が分かれる。
調査会社Gartnerが米国時間29日に発表したレポートによると、第2四半期の世界的な携帯情報端末(PDA)の出荷台数が、前年と比べて12%増加し、275万台に達したという。Gartnerによると、ここ10四半期のうちで出荷台数が伸びたのは初めてだという。低迷している業界にとってこれは良いニュースに思えるだろう。一方、今週初めに調査会社のIDCは、同四半期の世界的な出荷台数が2%減少して220万台になったと発表した。
Gartnerによると、BlackBerryの同四半期における出荷台数は、289%増加して51万台に達したという。GartnerとIDCが発表した数値には55万台の開きがあるが、BlackBerryの出荷台数がこの数値の差にほぼ当てはまる。
アナリストらが発表した総出荷台数の相違は、携帯端末に対する見方が変化したことを示す。Gartnerは、RIMのBlackBerryやHewlett-Packard(HP)のiPaq数種類にみられるような無線通信機能をもつ端末を出荷台数に含めたが、IDCはこれらの端末を調査対象から除外した。携帯端末市場は、最初の数年間に出荷台数が大きく伸びたあと、急激に停滞したとされている。しかし、今でも出荷台数の増加につながるような技術革新は続いていることから、こうした新技術を搭載した端末は、別の市場の製品としてカウントされているだけかもしれないことがうかがえる。
カテゴリの区分方法が調査会社によって違うため、投資家や業界ウォッチャーが、業界やプレイヤーの健全性を評価する際に、その判断を誤ってしまう可能性がある。例えば、PalmOneはどちらの調査結果をみても、携帯端末市場で最大のシェアを誇るとされているが、出荷台数はここ数四半期にわたり減少し続けている。それでも、株価から判断する限り、同社のビジネスは成功しているように思われる。携帯電話とスケジュール管理ソフトを統合したTreo 600の販売が追い風となって、同社の株価は先月ほぼ2倍に上昇した。
Treo 600の出荷がディスプレイ不足によって伸び悩んでいたが、同社は先ごろ新しい部品供給業者を見つけ、無線通信事業者大手のVerizon Wirelessを味方につけた。Treo 600は、今月からVerizon Wirelessの小売店で発売され始めたが、そのほかにもSprint、T-Mobile、CingularやAT&T Wirelessでも取り扱われている。
このことからもPalmOneのビジネスは成功しているように思われるが、どちらの調査会社もTreo 600を調査対象にしていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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