企業ユーザーはMicrosoftの「Windows Vista」に慌てて乗り換えるべきではなく、2008年までは慎重な態度を取った方がよいと、Gartnerのアナリストが発表した。
Gartnerのアナリストは、2006年にリリース予定のVistaの改良点の大半はセキュリティに関したもので、そうした機能のほとんどが「今日ではサードパーティ製品で代用できる」と、米国時間11日に発表した報告書で述べている。
これによると、先行するWindows XPと比べ、Vistaには付加的かつ革新的な改良が施されているが、XPユーザーは多様性を確保する戦略をとったほうがよいという。すなわち、Vistaは新しいマシンにインストールするべきで、それも2008年までは準備期間をとった方がよいと、アナリストは考えているのである。
「Microsoft Windows Vistaクライアントに注目すべき/注目すべきでない10の理由」と題された報告書で、GartnerはMicrosoftのプラットフォーム戦略の弱点を明らかにした。
Internet Explorer(IE) 7には、「IEからFirefoxへの移行に歯止めをかける」多数のセキュリティ新機能が盛り込まれ、2006年初頭の提供を目指して「作業が急ピッチで進められてきた」とGartnerは述べる。しかし、「ブラウザの動作を特権の低いプロセスに制限する一部の重要な機能」は、Vistaと連動する必要があることから当面利用できないと、Gatnerは注意を促している。
アナリストは、IE7とVistaを併用すれば脆弱性は緩和されると考えている。
このほかセキュリティに関しては、Windows VistaのパーソナルファイアウォールがXPのService Pack 2のものよりすぐれており、受信/送信トラフィックの安全性を高めることができるとされている。これは特に、ノートPCで重要視されている問題だ。もっともアナリストは、個人ユーザーはラップトップに「十分機能的な」ファイアウォールをすでに搭載していると指摘している。
Microsoftは、Vistaの検索機能を強化している。Gartnerの報告書には、「Windows XPの検索は遅く、各種ファイルや電子メール、カレンダーのオブジェクトなどは見つけづらい」と記載されていた。また、MicrosoftはVistaでこうした点の改良を図ったが、現在はGoogleなどの企業によって、「サードパーティ製の優れたデスクトップツールが提供されている」と、Gartnerは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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