シマンテック、「Symantec Research Labs」を公開--研究重視の体質確立を目指す - (page 2)

Joris Evers (CNET News.com)2005年11月17日 08時00分

 Bregmanによると、SRLはSymantecの技術向上だけでなく、優秀な人材の維持/獲得や特許ポートフォリオの拡大にも貢献しているという。Symantecは現在、およそ200件の特許を保有しており、係属中の特許もおよそ1000件あるという。同社は今週、特許取得に貢献した研究者らをねぎらうために、同社のCEOであるJohn Thompsonとの会食を開催する。

 Trillingによると、研究者らにとって特許の取得が収穫であることには違いがないが、開発した技術が実際の製品に使われることこそが最大の喜びだという。同氏はさらに、SRLはこれまでに数多くの「技術移転」に成功した、と付け加えた。

 「技術移転は、ある意味、われわれが成功するための最終手段だ。会社への貢献という意味では、われわれの業務の最も重要な部分といえる。」(Trilling)

SRLから生まれたヒット商品

 SRLが生んだヒット商品としては、現在NetBackupの一部として発売されているネットワーク接続マネージャが挙げられる。またTrillingは、SRLの研究者らのセキュリティ分野の実績として、ウイルス検知技術の向上のほか、セキュリティ脆弱性を利用する悪質なコードのパターンファイルではなく、ソフトのセキュリティ脆弱性自体のパターンを認識することにより脅威を回避する技術の構築を挙げる。

 Symantecは先週、同社の研究者らが現在取り組んでいるプロジェクトのデモを行った。そのプロジェクトとは、データベース監査用セキュリティアプライアンス、さまざまな場所に保管されたデータの単一のビューを構築するための新ソフト、アプリケーションが不具合を起こした場合に修復を図る自己修復システムの3つだ。

 いずれのプロジェクトも正式な製品として販売可能な段階には至っていないが、データベース監査用セキュリティアプライアンスに関しては、Symantecの実際の顧客のネットワーク上でテストが行われている。同システムは、Symantecの「Advanced Concepts」グループが担当している。同グループの役割は、研究と実際の製品とのギャップを埋めることにある。このアプライアンスは、市場の準備が整ったと判断でき次第発売される。

 「Advanced Conceptsの目的は、技術的視点で見れば障害は多くないと思える製品が市場でどのような評価を受けるかなど、多少不透明感のあるプロジェクトに取り組むことにある」(Trilling)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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