ブロードバンド回線は日本でここ3、4年の間に急速に普及したが、その波はついに空の上にまで達したようだ。
米Boeingは11月4日、東京都内で記者会見を開催し、飛行機向けのブロードバンド接続サービス「Connexion by Boeing」の現状と今後のサービス展開について紹介した。 今後はインターネット回線を利用したテレビ放送やゲームなどを機内で楽しめるようにするという。
Connexion by Boeingは、Boeing製の飛行機内で、飛行中でもインターネットサービスが利用できるというもの。料金は1時間9ドル95セントで、フライトの間中使い放題の場合は14ドル95セントから(料金は飛行時間により異なる)。ルフトハンザ航空で2004年5月にサービスが開始され、現在では日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)など全部で13社が採用、もしくは採用を予定している。なお、同様のサービスを提供する企業としては、BoeingのライバルであるAirbusが航空機関連のアプリケーション開発を手がけるSITAと合弁で設立したOnAirがある。
Connexion by BoeingはBoeingが運営、提供するサービスで、航空会社はBoeingに設備費用などを支払う。Boeingはユーザーから得た利用料の一部を航空会社と分け合う形だ。今後は航空会社が一定の年会費をBoeingに支払うサブスクリプションモデルも用意する予定という。
通信は衛星を利用して、機内と地上のネットワークセンターを結ぶ。機内では有線と無線のいずれか、もしくは両方が利用可能だ。無線の場合、IEEE 802.11a/b/gに対応した無線LANアクセスポイントが機内に複数台置かれることになる。なお、飛行機に取り付けられた衛星からの電波を受信するアンテナは三菱電機が手がけたものだ。
Connexion by Boeingの仕組み |
通信速度は飛行機と衛星の間が1Mbps以上となっている。機内ではこれを複数のユーザーが分け合うため、機内のユーザー1人あたりの実効速度は数十〜数百kbpsになるとみられる。
Connexion by Boeingは公衆無線LANサービスとのローミングもしており、日本ではNTTコミュニケーションズのホットスポットと、NTTドコモのMzoneが対応している。このため、ホットスポットやMzoneのユーザーは自分のIDやパスワードでConnexion by Boeingが利用でき、利用料金もまとめて請求される。
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