OpenOffice.org日本ユーザー会は11月1日、OpenOffice.orgコミュニティマネージャーのLouis Suarez-Potts氏の来日に伴い、プレス向け説明会を開催した。説明会にてSuarez-Potts氏は、OpenOffice.orgの重要性やその機能性について語った。
OpenOffice.orgは、オフィススイートの最新版となる「OpenOffice.org2.0」の英語版を10月20日に、日本語版を10月28日にリリースしたばかり。2.0では、Microsoft Officeとの互換性が向上したほか、操作性を改善すべくMicrosoft Office風のボタンを多数追加した。ドキュメント形式は、今回のバージョンよりOASIS標準のOpenDocument形式(ODF)となった。表計算ソフトのCalcの行数は、最大6万5536とMicrosoft Excelと同等となった。
OpenOffice.orgの優位性について解説するSuarez-Potts氏 |
Suarez-Potts氏は、OpenOffice.orgを採用することの利点について語った。それは、OpenOffice.orgがフリー(自由、無料)かつオープンソースであることだ。ライセンス料を支払う必要がないことはもちろん、ソースコードがオープンなため、自由に変更や改善ができ、安全性も保てる。
また、Sun Microsystemsや、オープンソースソフトウェアの導入サービスを提供するグッデイなどの国内企業が同ソフトをサポートしていることも重要な要素だとSuarez-Potts氏は言う。さらに、Microsoft Officeはもちろん、WordPerfectやStarSuiteなどのオフィスソフトとも連携できるほか、LinuxのみならずWindowsやMac OS X、FreeBSDなどの環境で動作できることも同氏はアピールした。
今回のバージョンでドキュメント形式がODFとなったことについてSuarez-Potts氏は、「標準形式で保存されたファイルは、市場に依存しないため、数十年にわたって読むことができる」としている。そのため、「ODFを採用することは義務であり、独自方式を使うことは無責任だ」と述べている。
Suarez-Potts氏は、OpenOffice.orgがMicrosoftのようにプロプライエタリな技術を採用しているのではなく、標準準拠であることを強調した。また、「独占的な技術を採用していると、未来はBill Gatesのものになってしまう。OpenOffice.orgで、未来をすべての人のものにしよう」と述べた。
米国では、GoogleがSun Microsystemsとの提携の下、OpenOffice.orgコミュニティに貢献できるプログラマを採用する動きがあるというが、この動きについてSuarez-Potts氏は「すばらしいことだ。他社も同様にオープンソースコミュニティに貢献してほしい」とした。
なお、OpenOffice.org2.0日本語版は、OpenOffice.org日本ユーザー会のウェブサイトのほか、ダウンロード専門サイト「窓の杜」などから入手できる。窓の杜では、ダウンロードの提供開始から4日間で約6万件のダウンロードがあったとしているが、これは通常のトップダウンロードの約3倍にあたるという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス