いまから3年もすれば、画面が1回転してタブレットPCに早変わりするラップトップコンピュータを頻繁に見かけるようになるかもしれない。
製造コストの低下とMicrosoftによる積極的な売り込みのおかげで、タブレットPCの出荷台数が2008年までに970万台に達するとみられている。この数字は、市場調査会社のIDCが予想する今年の出荷台数120万台に比べて708%増にあたるが、このうちの大半をコンバーチブル型のノートPCが占めるようになる、とIDCでは見込んでいる。
このタブレットPCの予想出荷台数は、ノートPC全体から見ればごく小さなものに過ぎない。IDCの予想によると、今年は全世界で6250万台のノートPCが出荷される見通しで、さらに2008年にはこれが1億30万台まで増加するという。
2008年に出荷されるタブレットPCがすべてコンバーチブル型のノートPCになったとしても、それでもタブレット機能を搭載するノートPCは全体の10分に1に満たないことになる。ただし、タブレットPCのシェアがノートPC全体のなかで2%に満たない現状を考えれば、これはかなりの増加といえる。
PDAや平面モニターなど過去に登場した新しいジャンルのハードウェアは、確固たる人気を獲得するのに何年もかかった。それと同じように、コンバーチブル型のノートPCもまだ非常に早い段階にあり、流行の最先端をいくPCユーザーにさえその真価を証明できていない。
IDCのアナリスト、Richard Shimは「メーカーや消費者は、タブレットPCで何をするのか、あるいは日常業務向けとしてこれが理にかなっているかどうかをまだ判断しかねている」と述べている。
しかし、ノートPCの売上全体に占めるコンバーチブル型のシェアは、ある単純な理由から、年を追うごとに増加していく可能性がある。その理由とは価格の低下だ。現在、コンバーチブル型の製造コストは、典型的なノートPCよりも300ドルほど高い。しかし、業界アナリストのRoger Kayによると、メーカーが今後2年間でタブレットの製造体制を整えれば、この差額が75ドルまで縮まる可能性があるという。
また、PCメーカー各社はベーシックモデルの低価格化を促すプレッシャーに絶え間なくさらされていることから、タブレット機能が利益の押し上げを期待できる売り物の1つになる可能性も十分にある。
タブレットには基本的に2つの形状がある。1つは、画面が約180度反転してキーボード上に重なるタイプのもので、もう1つは、いわゆる平板タブレットと呼ばれ、どちらかというと子どものオモチャによくあるようなデザインをしている。平板スタイルのデバイスは、重さが約1.3〜1.8キログラムで、価格は1000ドルからある。コンバーチブルタブレットのほうがやや重く、価格も高めで、仕様により最低1200ドルからとなっている。
Gatewayは先ごろノートPCの最新版をリリースしたばかりだが、同社を含むメーカー各社は、タブレットPCの未来について楽観的な見方を示している。
「われわれは、将来のある時点で、従来型のスタイルかもしくはコンバーチブル型のどちらかを選べるようなノートPCが、わが社や他のOEM各社からたくさん出されているようになると考えている。これらは同じようなリソースを使って製造されているため、そうした選択が可能になる」とGateway広報担当のKelly Odleは述べている。同社やAcer、Hewlett-Packard、Lenovo、東芝、富士通などの各社はタブレットPCを発売している。
いっぽう、タブレットPCを大々的に支持するMicrosoftは、教育市場関係者や開発者に対して、タブレットPCを利用した計算処理作業のメリットを売り込む活動を続けてきている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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