Windows XP Tablet PC Editionを搭載したタブレットPCが発売されてからまもなく2年近くが経つが、メーカー各社はまだペン入力のほうがキーボードよりも便利だとは証明できずにいる。
しかし、先週リリースされた新バージョンのオペレーティングシステム(OS)「Tablet PC Edition 2005」でタブレットPCがさらに使いやすくなることから、各メーカーではこのOSの発表が1つの転換点になるものと期待している。
タブレットPCはノートPCに似たポータブルコンピュータで、ユーザーはペンとタッチパネル式スクリーンを使ってメモをとることが可能で、手書きメモをテキストに、スケッチを画像ファイルに変換することもできる。しかし2002年11月にWindows XP Tablet PC Editionが発売されて以来、同OSベースのPCの売上はあまり芳しくない状態が続いている。
それでも、タブレットPCは医療や保険などいくつかの分野で足掛かりを得たほか、教育セクター、特に大学で好評だ。こうした関心の高まりから、2003年の出荷台数は約44万台に達したと調査会社Gartnerは述べている。同社はまた、出荷ユニット数が今後も徐々に伸びつづけ、2004年には約60万台、2005年には約90万台に達すると予想している。
「タブレットPCの市場は、ゆっくりと着実に成長している」(Gartnerのアナリスト、Leslie Fiering)
Tablet PC Edition 2005は、タブレットPCの使いやすさを向上させるために複数の方策が取られている、とFieringはいう。Tablet PC Edition 2005はMicrosoftのWindows XP Service Pack 2(SP2)の一部として既存のタブレットPCに導入されるほか、年内には同OSをプレインストールしたマシンも出荷が始まる予定だ。
Tablet PC Edition 2005では、手書き入力をテキストに変換する際のスピードと精度が高まり、手書き文字認識技術が向上している。また、入力データの種類を見分けるための文脈的ルールが追加されたおかげで、ペン入力されたデータを、インターネットや電子メールのアドレス、フォームなどに変換する処理が改善したとMicrosoftは述べている。
今回のアップデートによってタブレットPCの使いやすさはかなり向上する模様で、Hewlett-Packard(HP)やMotion Computing、東芝など複数のタブレットPCメーカーでは、タブレットPCが幅広い層にアピールできる製品となり、購入を検討している人々にもう一度見直してもらえるものになる、との考えを示している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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