米Sun MicrosystemsのCEO、Scott McNealyは、Sunの使命に対する情熱と、同社がその実現に向かっているとの確信に突き動かされている人物だ。
その熱意をSunの投資家らも共有していれば良かったのだが、状況は変わってきている。
ネットワーキングシステム大手のSunの株価は、ここ数年、主要株価指数や多くの競合企業の株価を大幅に下回る3〜4ドルのレンジで推移しており、同社の投資家らは、過去4年間の販売不振からなかなか黒字転換を図れない同社の現状に苛立ちを募らせている。
この株主の不満がより公に現れた1つの例として、Sunは、同社の取締役会が現在採用している同社幹部らへの報酬の与え方と、会社が何者かに提訴されそうになった時の回避方法の変更を求める2つの案を投資家から突きつけられているという。Sunはこれまで、株主から提案を受けたことはほとんどなかった。
たしかにSunの投資家の中にはMcNealyの指導力について不満を抱いている者もいるが、カリスマ性のある同社の共同設立者に対し、公然と辞任を要求する者は一人もいない。この事実は、同社の投資家らが、好むと好まざるとに関わらず、Sunを現在の苦境に導いた本人に、その苦境から同社を救い出すための時間的猶予を与えたいと考えている明確な表れといえる。
しかし、かねてからそうであったように、Sunの投資家らはMcNealyを支持してはいるものの、その姿勢は大変慎重であり、CNET News.comがインタビューした投資家からはほとんど熱意は感じられなかった。
Sunの株式をおよそ36万8000株保有するGuinness Atkinson Asset Managementの最高投資責任者(CIO)、Timothy Guinnessは、「Scottが会社の黒字転換を図るのにふさわしい人物かどうかは分からないが、全体としてScottが好きだし、彼はSunについて多くの知識を持っている」と語る。
その他の機関投資家らは、McNealyの指導力に対し失望感を顕わにした。
Merrill Lynchのファンド管理部門であるMerrill Lynch Investment Managersが販売するファンドの1つ、Mercury Basic Value Bのポートフォリオマネジャー、Kevin Rendinoは、「精細を欠いた業績の責任は100%この経営陣にある」と述べ、さらに「株主の間で意見の食い違いが生じ始めたことについて驚きはない」と付け加えた。
Rendinoが管理するファンドは、Sunの株式を1830万株保有している。同氏は、McNealyが会社を再生するためにこれまで行なってきた数々の試みは特に「お粗末」だったと語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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