それでは、各製品の主な新機能などを見ていこう。まず、Macromedia Flash Professional 8では、リアルタイムの視覚効果やビデオのワークフローを改善した。表現の面では、鮮明で高品質な文字表示を可能にする最新のフォントレンダリングエンジン「FlashType」を利用して、小さなフォントでもはっきりと表示できる。また、再描画する必要のないベクターオブジェクトは、一時的にビットマップに変換してお、いつでもベクターに再変換できる「ビットマップキャッシュ」を利用して、Flashの再生パフォーマンスを向上させた。
ビデオでは、Flash Videoのコーデックとして、On2 VP6 を新たにサポートしたことにより、従来と同じ帯域幅ならばより高画質に、同じ画質ならよりデータが軽いファイルを作成できるようになった。ノンリニアビデオ編集ソフトウェアから直接 Flash Video(FLV)形式ファイルを出力するためのFlash Video QuickTime Exporter プラグインも同梱した。
さらに、モバイル分野も強化した。世界中で3500万台以上の携帯電話に搭載されているとされるFlash Lite プレーヤーをターゲットとしたオーサリング機能でもっとも強化したのは、携帯端末のプロファイルを搭載したことと、Flash Lite1.1のエミュレータを搭載したことだ。これにより、開発したコンテンツの動作を検証できる。コンテンツの種類を指定して対象端末を絞り込めるので、「着Flash」や「Flash 壁紙」、ブラウザ内のコンテンツ表示などを、どの機種がサポートしているかが把握できる。
このほか、日本向けに新しくFlashオーサリングツールの廉価版「Macromedia Flash Basic 8」も発売された。Professionalの基本機能を集めた入門版パッケージで、基本的にビデオのコアな機能やモバイル系の機能を外した。Flashアニメを作りたい、もしくはこれからFlashの作成を始めたいというユーザーに対して提供する。
田中氏は「特に日本では、プロのコンテンツというよりはアマチュアの人が自分でパーソナルユースでアニメーションを作ることが多い。そういう人たちもMXの前まではついてきてくれたが、Flashが難しくなりすぎてついていけないという声があるので、マクロメディアとしてそうした声に応えてアピールした結果だ」と投入の背景を説明した。Flashオーサリングツールのクローン製品よりは若干高めだが、米国では約300ドルで販売されているので「価格設定もがんばった」(田中氏)という。
一方、Dreamweaver 8では、デザインビューを使ったXSLT開発で、RSSフィードなどのXML形式のデータをドラッグ&ドロップでウェブページに統合できるようにした。関連ニュースサイトのヘッドラインをトップページに表示させるするようなことが可能だ。フィードはRSS、Atomともにすべてのバージョンに対応している。コードビューではXMLとXSLTをサポートする強化されたコードヒント機能が利用できる。
また、CSS機能が1つのパネルに集約され、視覚的にCSSを管理可能になった。CSSレイアウトを視覚化できるので、上級者でなくてもCSSを使った複雑なレイアウトをデザインビューで確認したり、編集したりできる。
このほか、DTPソフトウェアではあたりまえだが、ウェブツールとしては業界で初めてガイド機能を付け、デザインの配置などをピクセルレベルで編集しやすくした。さらに、WordやExcelの文書をペーストする際に、書式を維持しつつ表や図、テキストなどを取り込むことも可能だ。
日本独自の機能としては、、JIS X 8341-3(日本工業規格)のアクセシビリティ診断が可能だ。単純に診断できるだけではなく、「富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第2.0版」を搭載したので、問題の対処方法も提示される。
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