カリフォルニア州サンタクララ郡上級裁判所は、Yahooが最近採用した音声対話技術エンジニア十数名に対して、同社での開発作業を一時的に禁じた。これは、エンジニアらの元勤務先が、Yahooを相手に企業秘密の盗用で起こしていた訴訟に対する決定になる。
カリフォルニア州サンタクララ郡上級裁判所は、米国時間28日に出した命令で、企業秘密の不正使用や不当競争などに関する音声技術企業Nuance Communicationsの訴えは、その実態に優位性があると考えられると述べた。また命令は、そのエンジニアらがYahooで音声技術を開発することを禁じなければ、Nuanceは「回復不可能な莫大な損害」を被ることになると述べている。
また同裁判所はYahooに対し、Nuanceの元従業員あるいは在職中の従業員を雇用し、音声技術の開発に従事させることを一時的に禁じた。Nuanceは、多くの航空会社の自動音声対話飛行情報システムにその技術を導入している。
Nuanceは訴状の中で、YahooはNuanceの研究開発(R&D)部門を「破壊」し、同社の13人のエンジニアを引き抜いたと主張している。Nuanceはさらに、Yahooがその十数人の技術スタッフの引き抜きに成功した背後には、Nuanceの元R&D担当バイスプレジデントで現在はYahooに勤務するLarry Heckの協力があったと主張している。
Yahooの広報担当Kiersten Hollarsは、「(Nuanceの)申し立ては実態を完全に欠いており、今後われわれは積極的に弁護活動を行なってゆく」と語り、それ以上のコメントは控えた。Heckのコメントは得られなかった。
カリフォルニア州メンロパークに拠点を置くNuanceの主張によると、HeckがYahooに転職するために同社を退社した時点で、その十数名のエンジニアらは、ある大型プロジェクトの少なくとも75%を終えていたという。Nuanceは、電話利用者に音声起動式の検索/ディレクトリサービスを提供したいと考えているYahooをはじめとするインターネット企業にその技術を販売する計画だった。
この件について、Nuanceに電話でコメントを求めたが返答は得られなかった。また同社の弁護士も訴状の内容以外のコメントは避けた。
Yahooの主要なライバル企業であるGoogleも、主要幹部の引き抜きを理由にMicrosoftから提訴され、その裁判は大きな注目を集めた。Microsoftは、同社の元幹部のKai-Fu Leeが中国にGoogleの開発センターを開設した行為は、同氏がMicrosoftと交わした競争禁止契約に反するとして、GoogleとLeeを提訴した。裁判所が、裁判が解決するまでLeeの業務活動を制限するとの判決を下したのを受け、MicrosoftはGoogleに同訴訟の和解案を提示した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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