KDDIは9月26日、東芝および日立製作所と共同で開発した燃料電池内蔵の携帯電話端末を発表した。
KDDIでは東芝や日立と共同で、2004年7月より携帯電話機などを対象とした移動体通信機器用の次世代電池を開発しており、今回発表された端末はその試作機となる。
東芝製の試作機は、auの「A5509T」をベースにした。背面の電池搭載部分に小型の燃料電池と燃料タンクを内蔵し、内部リチウムイオン電池とのハイブリッド方式で電源を供給する。燃料には99.5%の高濃度メタノールを使用しており、1回の燃料充填で従来の約2.5倍もの電池容量を達成した。端末の閉じた状態の大きさは、98mm(高さ)×50mm(幅)×40mm(厚さ)で、重量は160gだ。
この一方で、日立製の試作機はauの「W32H」をベースとした。サブ液晶面に小型燃料電池を搭載している。こちらも内部リチウムイオン電池とのハイブリッド方式となっており、厳密な濃度については公開していないが、60%以下のメタノール水溶液を燃料に使用している。閉じた状態の端末の大きさは98mm(高さ)×50mm(幅)×25mm(厚さ)で、オリジナルの「W32H」とほぼ同じ大きさで、重量はオリジナルより24g重い150gとなっている。内部燃料の容量は3ccで、携帯電話の電池残量が不足するたびに小型カートリッジから充填する。
今回発表した試作機は、10月4日から開催される「CEATEC JAPAN」のKDDIブースにて展示する予定だ。KDDIは東芝、日立とともに、今年度末までにユーザーの利用シーンを想定した試作機の評価や性能の拡充を進め、移動体通信機器用の燃料電池の実用化を目指す。
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