ゲーム事業を統合した新会社を設立へ--バンダイナムコの経営戦略

永井美智子(編集部)2005年09月13日 21時47分
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 バンダイとナムコは9月13日、両社が29日付けで設立する予定の新会社「バンダイナムコホールディングス」の経営戦略を発表した。これは、5月に両社で持株会社を設立して経営を統合する計画だと発表したことを、さらに具体化したものだ(関連記事)。グループ会社を5つのビジネスユニットに分けて統括するほか、ナムコとバンダイの国内ゲーム事業を合わせた新会社を2006年4月に設立する。

  新たに設立されるゲーム会社は「バンダイナムコゲームズ」。バンダイのゲーム部門から約60名、ナムコのゲーム部門から約1300名が転籍する。資本金や社長就任予定者などは明らかにされていない。

バンダイナムコホールディングスのシンボルとなるロゴも披露された。2つの有機体が融合しながら進化する様子を表現したという

  ビジネスユニットは(1)ゲームコンテンツ、(2)トイホビー、(3)アミューズメント施設、(4)ネットワーク、(5)映像音楽コンテンツの5つ。バンダイナムコホールディングスはグループ全体の戦略決定や、ビジネスユニットを横断したプロジェクトを管轄する役割を担う。

  それぞれのユニットごとに戦略を決めて、グループ内の各企業が戦略に沿った製品やサービスを提供していく形を採る。バンダイ代表取締役社長でバンダイナムコホールディングスの代表取締役社長に就任予定の高須武男氏によれば、グループ会社を統合する計画はないという。「グループ会社は上場している企業が多く、資本統合をするつもりはない。グループ企業同士でお互いに競争させたほうが結果としていいものが生まれる」(高須氏)

  2008年3月期におけるグループ全体の売上高は5500億円(2006年3月期予想比15.7%増)、営業利益は550億円(同24.4%増)と予想する。バンダイとナムコの事業を組み合わせたシナジー効果と合理化により、この数字は達成可能だという。

  なかでも最もシナジー効果が高い分野と見込まれているのは、ゲームコンテンツのビジネスユニットだ。バンダイ、ナムコ、バンプレストを主体とするユニットで、バンダイナムコゲームズの設立後は、この会社が中核となる。

  これまでグループ内では家庭用、業務用、携帯電話用にそれぞれゲームを開発する企業が分かれていた。今後はユニットとして戦略を策定するとともに、1つのゲームをさまざまな機器に対応させる「コンテンツマルチユース」という方針に切り替え、収益拡大を狙う。

  さらにゲームの内製化によるコスト削減も期待する。バンダイはこれまでゲームの企画やプロデュースのみを手がけており、制作は外部委託していたが、今後はバンダイナムコゲームズで制作までを手がける事が可能となる。作品としては、バンダイのキャラクターとナムコのゲーム開発力を合わせたプレイステーション2用のゲームソフト「機動戦士ガンダム一年戦争」」のような作品を増やしていく。また、10代以下もしくは30代以上の年齢層に向けたゲームも開発していくとしている。

  ただし国内市場が少子化に伴って飽和気味であることから、海外での事業を強化する。人気の高いナムコのゲームキャラクターをトイホビー分野で展開したり、ナムコのモバイルゲームを基盤としてネットワーク事業に進出するといったことを検討しているという。2006年3月期における海外事業の比率は売上高で19.2%、営業利益で21.3%となっているが、2008年3月期にはこの比率を売上高で20.5%、営業利益は25%以上にする計画だ。

  海外でも各地域を統轄する持株会社を設置し、その下に各事業を担当する企業が存在する形を採る。米国の場合、バンダイナムコホールディングスの下にNamco Bandai Holdings(USA)を設立し、その下に玩具事業のBandai America、家庭用ゲームソフト事業のNamco Bandai Games America、施設運営事業のNamco Cybertainment、業務用機器販売事業のNamco America、モバイル事業のNamco Mobile、映像事業のBandai Entertainmentをおく。

  ゲーム業界は世界的に競争が激しくなっていること、次世代ゲーム機向けのソフト開発コストがかさんでいることなどから業界再編が進んでいる。

  8月にはスクウェア・エニックスがタイトーを株式公開買い付け(TOB)により子会社化すると発表した(関連記事)。また、2006年3月にはタカラとトミーが合併して「タカラトミー」を設立する予定だ(関連記事)。

  これらの動きに対して高須氏は「トイホビーユニットではタカラトミーが、アミューズメント施設ではタイトーやセガが良いライバルになる」と認めたものの、「グループ全体では世界に類のない企業になったと自負している。特に(ライバルとして)目指す企業はない」と自信を見せた。

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