補完関係にある2社の経営統合
ナムコとバンダイは5月2日、9月29日に共同で持株会社を設立すると発表した。新会社名は「バンダイナムコホールディングス」(英文表記はNAMCO BANDAI Holdings)。バンダイとナムコは新会社の傘下となるが、将来的には事業別に組織を再編する計画だ。
新会社の売上高は4485億円(2004年度見通し)で、コナミ(2750億円、2004年度見通し)を抜いてセガサミーホールディングスの5280億円(2004年度見通し)に次ぐ業界2位の規模になる。「3年後には売上高5500億円、経常利益550億円を目指す」とバンダイ代表取締役社長で新会社の代表取締役社長に就任する予定の高須武男氏は意気込む。
両社の代表がそろって記者会見を行った
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新会社の取締役会長にはナムコ代表取締役副社長の高木九四郎氏が就任する。また、ナムコ創業者で代表取締役会長の中村雅哉氏は最高顧問に就く予定だ。社員数は50名程度となる見込み。新会社は9月にも東京証券取引所に上場する予定で、これに伴ってナムコ、バンダイの両社は上場廃止となる。
新会社との持株移転比率は、ナムコ株1株に対して新会社株1株、バンダイ株1株に対して新会社株1.5株となる。
バンダイはガンダムなどのキャラクター事業を主力とし、欧州・アジア地域に強みを持つ。一方ナムコは「太鼓の達人」などの業務用ゲームや家庭用ゲームソフト、アミューズメント事業が主力事業で、北米地域に強い。両社は事業展開にも重複が少なく、相互補完によって事業拡大が見込めると判断したという。
高須氏は「アミューズメント事業やゲーム事業で一部重複するところはあるが、全体的に補完性が高い。経営統合によって、世界に類を見ないエンターテインメントグループになる」と自信を見せる。
特に高須氏が期待を寄せるのが、ゲームソフトの開発だ。ゲームソフト各社は、次世代ゲーム機向けのソフト開発コストが大きな負担となっている。バンダイはこれまでゲームの開発は外部委託していた。一方、ナムコは自社でソフトを開発しており、大きな統合効果が見込めると話す。「今回の最大のミソはゲーム事業の集約にある」(高須氏)。実際、今回の話は2004年12月ごろに、プレイステーション2用のゲームソフト「機動戦士ガンダム一年戦争」を共同で開発するなかで、ナムコ側からバンダイ側に持ちかけたものという。
両社の事業ポートフォーリオを比較すると、一部重複はあるものの全体的に補完しあう関係にある
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