タカラトミーとインデックスの新会社、「3年後の上場を目指す」

永井美智子(編集部)2005年08月24日 21時35分

 トミー、タカラ、インデックスの3社は8月24日、9月に新しく設立する予定の戦略事業会社に関して、事業方針を明らかにした。トミーおよびタカラが保有するコンテンツをデジタル化してインターネットやモバイル上で展開するほか、独自のコンテンツも開発する。

 新会社の名称はティーツーアイ エンターテイメント(T2i Entertainment)で、2008年の株式上場を目指す。 資本金は10億円で、インデックスとタカラトミー(トミーとタカラが合併して2006年3月にできる新会社)が50%ずつを出資する。なお、同社はインデックスの連結対象となる。

トミー、タカラ、インデックスの代表者たち。T2iの社長に就任する上村氏(左から2番目)は「世界に通じるデジタルコンテンツビジネスを展開する」と意気込む

 代表取締役社長にはタカラモバイルエンタテインメント代表取締役社長の上村高広氏が、代表取締役副社長にはトミー コンテンツ事業戦略本部シニアグループリーダーの渡辺喜一郎氏が就任する。

 社員数は約60名で、タカラモバイルやトミー、インデックスの子会社などの社員が参加する予定だ。

 T2iの親会社となるインデックスの代表取締役会長、落合正美氏は「玩具業界はインターネットや携帯電話向けのビジネスが手つかずの状態で、もったいないと思っていた。新会社は一気に売上を拡大し、市場の台風の目になりたい」と意欲を見せる。

 主な事業は大きく以下の5つ。

  1. コンテンツの企画・調達事業
  2. ライツ事業
  3. デジタルコンテンツ事業
  4. コマース事業
  5. 広告・メディア事業

 まず、コンテンツの企画・調達については、タカラが7月に買収した竜の子プロダクションの過去のアニメをリメイクするほか、海外の玩具メーカーなどと協力したオリジナルコンテンツを新たに制作する。

 ライツ事業は、タカラトミーや竜の子プロが持つ映像コンテンツのライセンスをデジタル放送やCS放送、ブロードバンド配信などに提供する。

 デジタルコンテンツ事業は、タカラトミーや竜の子プロのキャラクターを使ったコンテンツを携帯電話やインターネット上で提供する。具体的には電子書籍や壁紙などが挙げられるという。現在、タカラとトミーがコンテンツを提供している携帯電話サイトは88サイト、会員数は120万人だが、これを2008年には280サイト、400万人にまで拡大する。

 コマース事業については、タカラトミーの商品を中心とした玩具のコマースサイトを立ち上げる。「玩具のイーコマースはまだこれからの市場であり、アマゾンだけに任せておくわけにはいかない。トイ・ホビーカテゴリーでナンバーワンのコマースサイトを目指す」(渡辺氏)

 広告・メディア事業はタカラトミーやインデックスのテレビ広告を一手に管理する。また、タカラトミーのキャラクターを使った広告を企画・提案する。

 タカラとトミーのデジタルコンテンツ事業の売上高は両社合計で約13億円(2005年3月期)だが、インデックスがもつ携帯電話やインターネットのプラットフォームを活用することで、事業を大幅に拡大する。T2iでは2006年8月期の売上高を100億円、経常利益を10億円と予想している。

 このうち、当面の柱となるのは広告・メディア事業で、売上高の約半分にあたる52億円を占める。タカラトミーとインデックスのテレビ広告を管理する部分の売上が約40億円と大きいためだという。

 このほかの内訳は、デジタルコンテンツ事業が40億円、コマース事業が5億円、コンテンツ企画・調達事業とコマース事業が合わせて3億円となる。インデックスは自社の携帯電話サイトから新会社のサービスに誘導を図るなど、営業面でバックアップする。

 上村氏によると、今後は上場に向けて売上高に占める広告事業の比率は40%にまで落とす考えで、デジタルコンテンツ事業などを伸ばすという。2008年8月期の売上高は150億円、経常利益は15億円と予想している。

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