仮想グッズの取引総額の正確な数字は誰にも分からないが、その額は年間2億〜8億8000万ドルと予測されており、取引の大半はeBayやIGEなどのオンラインオークションサイト上で行われている。オンラインゲームビジネスの関係者らは、「World of Warcraft」や「Everquest II」といったオンラインゲームの人気が上昇するにつれ、取引総額はさらに増加すると見ている。
Hunterは、「今あるのは、信じられないほどの価値がある財産が手に入る、奇妙な闇市場だ」と述べたうえで、「詐欺師らがそれら(の仮想グッズ)を入手したいと考えるのは、それらを現金に換えられるからだ」と語った。
Hunterは、フィッシングがオンラインゲームにとって深刻な問題となり、政府による規制が必要になる可能性を懸念している。また、同氏は、これまでに取締が行われたか否かについては全く知らないと語った。
「Eve Online」の提供元であるCCP Gamesの最高マーケティング責任者(CMO)であるMagnus Bergssonによると、同氏がフィッシング詐欺の増加に気付いたのはおよそ2カ月前だという。Bergssonも、詐欺師らが仮想市場で利益を得る手段を模索していると考えている。
Bergssonは、「これは、ゲーム内で行われる、アイテムやお金の取引に関する大変悪い側面の1つだ」とし、さらに「(ゲーム内のグッズが)ゲーム外にも影響を及ぼし、現金に換わると、悪い事が起こる」と語った。
実際、オンラインゲームを運営する企業やプレイヤーの多くは仮想グッズ取引を公然と非難している。そのような取引はゲームの面白さを低下させるだけではない。プレイヤーが他人にだまされたと、ゲーム運営会社に苦情を申し立てれば、企業のカスタマーサービスは悩みを抱えることになるというのがその主張だ。
しかし、Sony Online Entertainmentは最近、グッズなどを取引するための独自の市場を開設することにより、長年続いた、仮想グッズの現金化問題を克服した。同社は、(独自の市場を開設することにより)自社のオークションシステム内で詐欺行為を制御できるとして、独自市場開設の正当性を訴えた。
いずれにせよ、Hunterは、ゲームの世界でのフィッシングが深刻な問題となり、数多くの価値あるグッズが盗まれる事態になれば、普段はFBIと関わり合うことを嫌っているゲーム運営会社も、当局の協力を仰ぐ以外に選択肢がなくなるだろうと予想している。
Hunterは、「ゲーム開発者らは、この問題にどう対処すべきかについて大きな葛藤を抱えている」と述べ、さらに次のように続けた。「彼らは、徹底的な調査を試みることは可能だ。しかし、彼らは、そのような取引に歯止めをかけたいという願望と、一方で規制はして欲しくないという願望の間で悩むことになるだろう」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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