フィッシング詐欺の新たな手口が出現した。この手口で使われる電子メールには、セキュリティ調査をしたいので個人情報をファクスで送信して欲しいと書かれている。
セキュリティ専門企業Sophosが米国時間10日に明らかにしたところによると、攻撃者はまず、差出人をPayPalと偽った電子メールをインターネットユーザーに送りつけるという。この電子メールには、何者かが当該電子メールの受信者のパスワードをリセットしようとしたので、調査に協力して欲しいと書かれている。
この電子メールには、ウェブサイトからMicrosoft Word形式の記入用紙をダウンロードし、必要事項を書き込んだうえで通話料無料の番号にファクスするよう書かれていると、Sophosは述べる。記入用紙には、クレジットカード番号を書く欄もある。
新しい手口が出現した背景には、オンラインで個人情報を入力するよう求める電子メールに対して、人々が警戒心を抱くようになってきたという事情があると、SophosのシニアテクノロジーコンサルタントGraham Cluleyは述べる。
「この数日間、同様の手口を数件確認している。犯人たちは、ウェブサイト上の記入欄に情報入力することについて学習を積んだ人々に対し、新しい手口の効果を試している。記入用紙をファクスで送るなら安全と人々が思ってくれることに、彼らは期待している」(Cluley)
「これは、愚かなやり方だ」とCluleyと続け、「当局は、電話番号を簡単に追跡することができる。しかし、分からないのは、犯人たちは、すぐに解約する前提で(着信者課金サービスの)番号を取ったのか、偽の個人情報を使って番号を取得したのか、あるいは、ファクスが米国外のどこかにある衛星電話に転送できるようになっているのかという点だ」と述べる。
しかし、電子メールを使ったフィッシング詐欺の効果は落ちてきているようだ。他の迷惑メール同様、人々は、電子メールの受信トレイを確認する時、フィッシングメールを上手に避けるようになっているとCluleyは述べる。そのため、フィッシング詐欺犯らは、電子メールを使った詐欺を試みても、それほど効果がないことに気付き始めている。
「トロイの木馬やワームを使って個人情報を収集する手口の方が一般的になりつつある。情報を秘密裏に集められるからだ」(Cluley)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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