家庭内にある電気配線でブロードバンド接続サービスを利用できるようにする技術を推進する組織が、Intel、Motorola、Cisco Systemsの大手企業から有力な支援をとりつけた。
Intel、Motorola、Ciscoは米国時間8月24日、HomePlug Powerline Allianceと呼ばれる団体の支援を表明した。HomePlug Powerline Allianceは、電力線ブロードバンド(Broadband over Power Line:BPL)サービスを家庭に提供する企業やサービスプロバイダ向けに標準や仕様を開発する団体である。
Intel、Ciscoの一部門であるLinksys、Motorolaらは、スポンサーメンバーとして同グループに参加することに合意した。また、IntelのマーケティングマネージャであるMatt Theallが、同グループのプレジデントに選出された。加えて、同グループは、標準開発やインプリメンテーションへの業界の取り組みを促進するため、新たに「Implementers' Forum」という役員会を組織している。同グループにはComcast、EarthLink、RadioShack、シャープ、ソニーなどがすでにスポンサーメンバーとして参加している。
さらに同日、HomePlug仕様をベースにした組み込み回路を開発する新興系企業であるIntellonが、IntelとMotorolaなどから出資を受けたことを発表した。Intellonによれば、同社はBCE Capitalによって進められた今回の投資ラウンドで、新たに2450万ドルを手に入れたという。Goldman Sachs、Intel Capital、Motorola Venturesらも今回の投資に参加した。なお、同社には以前から、Comcast Interactive Capital、Duchossois、Fidelity Ventures、Philips Venture Capital Fundが投資している。
BPLサービスを提供すれば、電力会社はCATV会社や電話会社に代わるブロードバンド接続の第3の選択肢になり得ると、考えられている。だが、技術的な制限や、緊急用無線電波と干渉する問題などから、BPLはいまのところ大規模な普及には至っていない。
名だたる大手IT企業がBPL技術の開発支援に乗り出したことは、BPLサービスの提供が実現間近になっていることを意味するのかもしれない。IntelやMotorolaのような企業の参加に加え、GoogleやIBMのような他のプレイヤーもまた、同技術に注目している。Googleは7月にBPLサービスプロバイダのCurrent Communications Groupに出資した。IBMは、テキサス州ヒューストンを拠点とする電力会社のCenterPoint Energyと、BPLネットワーク構築で提携すると発表した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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