Microsoftが、次期バージョンのInternet Explorer(IE)に、タブブラウザ機能を搭載することを認めた。この機能はライバルのOpera SoftwareやFirefoxで人気となったものだ。
IEのプロダクトユニットマネージャー、Dean Hachamovitchは、Microsoftのブログのなかで、IEのベータリリースのタブブラウザ機能にあまり期待を寄せないよう消費者に忠告している。
「次期IE 7ベータのタブブラウザ機能は非常にベーシックなものだ。ベータ版の段階では、この機能についてわれわれの実装が互換性とセキュリティを実現できていることを確認するのが主な目的だ」(Hachamovitch)
Hachamovitchによると、同氏のチームではフィードバックを求めて、バグ除去に役立てていくという。「われわれはタブブラザの他の実装例で報告された脆弱性も綿密にチェックしている」(Hachamovitch)
同氏はまた、競合製品では数年前から利用可能になっているこの機能を、これまでIEでは提供してこなかった理由について説明した。
「なかには、われわれがなぜがもっと早くIEにタブブラウザ機能をつけなかったのかと尋ねる人々もいる。その理由としてはまず、複雑さと統一性に関して、この機能がユーザーにとってメリットよりも混乱の種になるのではないかという懸念を、われわれが抱いていたということがある。IEにタブがあるのに、他のWindows体験の中心的部分となるWindows Media Playerやシェルなどにタブがなかったら、人々は混乱するのではないかと考えたのだ」(Hachamovitch)
Hachamovitchは、Microsoftがタブに関して誤った判断を下したと考えており、この判断を覆すのを喜んでいると認めた。
しかし、判断を覆すだけでは不十分だ、と少なくともあるFirefox開発者は考えている。同ブラウザのリリースマネージャーで品質保証責任者のAsa Dotzlerは、IE 7アップデートに対する意見を自らのブログに記している。
「この発表は『我々は遅まきながら、タブ機能が必要だという判断に至った。まだまだ完成には程遠い。だから、われわれの実装を見ても、こちらに怒りをぶちまけないでくれ』という意味なのではないかと思っている」とDotzlerは記している。
Dotzlerは、Microsoftがタブブラウザ機能を追加した動機は、ユーザーにサービスを提供することよりも、同社のソフトウェア独占状態を維持することに関連していると主張した。
「それでは、IE 7のユーザーにはメリットがないということか。いや全くそうではない。彼らの動機には説得力がないが、だからといって結果的に出されるソフトウェアが最低というわけではない。しかし、あらゆるソフトウェアはその背後にある動機を引きずるものだと私は思っている」(Dotzler)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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