工業用に設計されたロボットが、遊園地にも進出している。
独Kuka Roboterが開発したロボット「Robocoaster」は、産業用ロボットを改造して作られたもの。Robocoasterは、巨大なアームを使って2人乗りの座席をくるりと回転させたり、左右に揺らしたりすることができる。同社のパンフレットには、「車を製造したり、パレットにものを積んだり、金属を流し込んだりすることができるロボットであれば、2人掛けの椅子に座った人間を空中で回転させたりすることだって可能だ」と書かれている。
これだけではない。「Robocoaster」に座った人間は、ロボットの動きをプログラムすることもできる。たとえば、最初に宙返りを2回してから、横向きに1回転し、その後、急降下したいというように、希望の動きを設定することも可能だ。
「ずっと逆さまの状態がよいなら、そのように設定することもできる」と米国Kuka Robot GroupのマーケティングマネージャKevin Kozuszekは説明する。
これまでに、米国と欧州の遊園地に約20台の「Robocoaster」が設置された。デンマークとカリフォルニア州の2つのLEGOLANDには、それぞれ4〜6台の「Robocoaster」がある。
産業ロボットは何も新しいものではない。だが、発明家と投資家はここ数年、市場拡大を見込んで、ロボットに熱い視線を注いでいる。
Kozuszekによると、「Robocoaster」は、Kukaの欧州スタッフのアイデアにより実現したという。Kukaの産業ロボットはさまざまな動きをすることが可能で、その動きも迅速だ。また、かなりの重量に耐えられる。同社のスタッフは、アームの先にジェットコースターのシートを取り付ければ、ジェットコースターのような動きを実現できるのではないかと思いついたという。
「Robocoaster」の乗車時間は1〜2分。利用客は「Robocoaster」に乗る前に、事前設定されたメニューからどのような動きを希望するかを選択する。基本的な動作は、左右、上下、横回転、垂直回転の4種類だ。
現在の「Robocoaster」は2人乗りだが、同社では4人乗りのモデルも開発中だ。
ロボットは軍事の分野にも進出している。現在、空軍ではパイロットのフライトシュミレーショントレーニングにロボットを利用することを検討している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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