毎年恒例の「RoboCup 2005」が、今年は大阪で5日間にわたって開催された。ロボットサッカーのワールドカップともいえる同大会では、コンピュータ科学者らがサイドラインから声援を送るなかで、人工知能を持ったサッカーロボットがゴールを目指して戦いを繰り広げた。
ヴイストンとロボ・ガレージが結成した「Team Osaka」は、2足歩行ロボット「VisiON」を擁して、「ヒューマノイドリーグ」のカテゴリで「Louis Vuitton Humanoid Cup」を含む複数のタイトルを獲得した。またTeam Osakaは、ドイツのフライブルグ大学から出場したNimbRoを「テクニカルチャレンジ」「2 on 2」「キッドサイズ・ペナルティキック」の部門で破っている。
ドイツのベルリン自由大学から出場した「FU-Fighters」は、「スモールサイズリーグ」の部門で、米のコーネル大学の送り込んだ「Big Red」を撃破した。スモールサイズリーグは、直径18センチメートル(約7インチ)未満のロボットで、卓球台サイズのフィールドでオレンジ色のゴルフボールを使って試合を戦う。
このサッカーイベントには、31カ国から約330のチームが参加した。参加ロボットの顔ぶれも、2足歩行ロボットから、ソニーのAIBOをプレイヤーに使った4足歩行ロボットまで実にさまざまだ。ジョージア州のスペルマン大学(わずか5チームしか参加してない米国チームの1つ)から出場した6人のプログラマがつくるチームは、唯一の在校生で、かつ今回のイベントでは唯一の全員が女性というチームだったが、残念ながら賞の獲得には至らなかった。
「4足ロボットリーグ」の部門では、4足のエンターテイメントロボット4台がチームを組み、オレンジ色のボールを使って競技を行う。このリーグではロボットの性能はすべて同じであるため、純粋にロボットに内蔵されたプログラムの優劣で勝負をしなければならない。ここでは、ドイツのベルリンにあるブレーメン大学の「GermanTeam 2005」が、オーストラリアのニューカッスル大学から出場した「NuBots」を破っている。
RoboCupは、ロボット工学と人工知能の研究/教育の発展を狙った考えられたもので、大会の終了後には、このテーマに関する2日間のシンポジウムが開催される。関係者は、2050年までに、FIFAのオフィシャルルールに則ってワールドカップサッカーのチャンピオンと戦い、勝利する自律型ヒューマノイドサッカーチームを編成するという遠大な目標を掲げている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向 けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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