コンピュータのチップセットが、21世紀最初の10年間に急成長を遂げている。
チップ調査会社In-Statのアナリストによると、今年約69億ドルになると予想されるPC用コアロジックチップセット市場は、2009年には103億ドルに成長する見通しだという。
米国時間1日に発表された「The Trendy Chipset for the x86 Processor(x86プロセッサ用の最新流行チップセット)」というタイトルのこのレポートは、新しいPCに対する需要の堅調な推移に加え、新しい半導体プロセッサ標準の登場が、Intel、Broadcom、Atheros、Via Technologies、Silicon Integrated Systemsなどが活動するこの業界の確立を後押ししている、と指摘する。
In-StatのアナリストChris Kisselは、「チップセットはPCを設計する上で重要なコンポーネントで、チップセットの設計は新機能をサポートすべく急激な変化を遂げている」と述べている。
たとえば、次世代チップセットではマルチコアプロセッサ、新しいフロントサイドバスアーキテクチャ、新しい周辺機器インタフェース、そしてますます高まるセキュリティ管理やマルチOSに対する要求のサポートが必須になると、Kisselは語っている。
高速ストレージインタフェースと高品位オーディオの機能を組み合わせたIntelの955 Expressチップセットなど、新しいチップセットは通常、2世代以上前のチップセットの機能も搭載してきた。ワイヤレスネットワークとの互換性を確保したIntelの855 Centrinoチップセットなど、場合によっては2個以上のチップが必要な古いチップセットをシングルチップのチップセットで置き換えることもできる。
チップセットへの依存度は、Intel、Advanced Micro Devices(AMD)、およびIBMの製造するプロセッサに発熱やパフォーマンスの問題が発生し始めた数年前から高まってきた。これまでのプロセッサ開発競争は最速の座を巡って繰り広げられたが、現在はチップセットがチップ成功のカギを握るようになった。たとえば、モデムの基本機能を提供したり、CPUを介さずマザーボード上のトラフィックをダイレクトに制御するチップセットもある。
Kisselによると、PC用チップセットベンダー各社にとっての課題は、最新の要件を確実に満たし、コストを抑えながら可能な限り多くの機能を盛り込んだチップセットを確実に用意することだという。
Kisselのレポートによると、他の新たな要因も働いているという。その1つは、AMDのAthlonおよびOpteronプロセッサをサポートするチップセット生産量の増加だという。
Intelとは異なり、AMDはチップセットの製造を外部ベンダーに依存している。現在、統合型メモリを採用しているのは、x86プロセッサ全体の20%に満たないが、 In-Statでは2009年に約70%が統合型メモリコントローラを採用するようになると報告している。これに似たトレンドはすでに組み込みプロセッサの分野で見られるものだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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